生保の2013年度運用計画

 

生保の運用計画については13日のブログでも書きましたが、
「主要生保の2013年度運用計画が出そろった」ようなので、
13日とは別の視点から3点ほどコメントします。

1.発表している「運用計画」とはそもそも何なのか?

BloombergのHPには、大手生保4社の記事があります。
 日本生命
 第一生命
 住友生命
 明治安田生命

また、ロイターのHPには主要生保9社の計画が
一覧表で掲載されています。ロイターのHPへ

一覧表を見ると、国内株式や債券、外国株式や債券の残高を
どう動かす計画なのかを示しているようです。

ところが記事を見ると、
「増加資金の半分弱を外国債券の積み増しに充てる」とか、
「増加資金1兆円程度のうち、約7000億円を円金利資産に振り向ける」
といった記述もあって、頭が混乱します。

今回注目されていた「外債へのシフト」を知りたいのであれば、
増加資金に加え、ポートフォリオの変更についての情報も必要ですが、
ここで言う「運用計画」とは何を指すのでしょうね。

2.「運用計画」をHPで公表してほしい

それでは元の資料などを確認したいと思って探しても、
残念ながら各社のHPには何も掲載されていません。
Bloombergの記事を見ると「公表資料」があるようなのですが...

たまたま今回は生保の運用計画に注目が集まり、
報道が多かったものの、いつも掲載されるとは限りませんし、
今回を含め、不完全な情報として出ることも多いです
(特にデータに関する部分)。

同じような対応をしている「決算記者会見資料」
(こちらは上場会社のみHPに掲載しています)とともに、
貴重な情報ですので、記者クラブだけに発表するのではなく、
ぜひ一般への公表もお願いしたいです。

3.「外債シフト」と書く根拠は何か?

「生命保険会社が海外投資を本格的に増やす時期を探っている」
「外債の積み増し額は9社合計で1兆円規模となる見通し」
と書いた新聞がありました。

しかし、一覧表を見た限りでは総じて慎重な感じですし、
Bloombergの各社の記事を見ても、外債シフトが起きそうな
雰囲気は感じられません。

ちなみに、2012年度の実績はどうなっているかというと、
期首に比べ、12月末時点の外貨建資産の残高は、
なんと4社合計で3.7兆円も増えています。

このうち時価上昇による部分が1兆円以上ありそうですが、
それでも9ヶ月間で2兆円以上になります。

今年度の計画が現時点では「9社で1兆円規模」ならば、
昨年度の実績に比べるとかなり慎重な姿勢に見えますね。
だとすると、「本格的に増やす時期を探っている」の根拠は
別のところにあるのでしょう。それを知りたいです。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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