生損保の2021年3月期決算が出そろいつつあります。
オンライン授業の対応などに追われ、ちらっとしか見ることができていないとはいえ、せっかくなので3メガ損保グループについて少しだけコメントしましょう。
コロナ関連の保険金支払いは海外事業が中心で、各社とも上振れはなかった模様です。三井住友海上が52億円、あいおいニッセイ同和が167億円となっていますが、海外受再などが中心のようです。
国内事業でのコロナ関連支払いは3グループともに少なく、むしろ自動車事故の減少で収支にはプラスに効いています。
「大手損保、3社中2社が増益」という型どおりの報道もあり(時事通信など)、確かに連結純利益はそうなっています
IR資料を見ると、東京海上はコロナの影響(海外)や異常危険準備金繰入などにより減益。MS&ADはコロナの影響(海外)等を国内生保の増益がカバーし、ほぼ横ばい。SOMPOもコロナの影響(海外)はあったものの、自動車事故の減少などにより16%の増益。そのような説明ができそうです。
しかし、今回見るべきはこちらの数字ではないでしょうか(記載がないかぎり2020年3月末との対比)。
<包括利益>
東京海上 27億円 ⇒ 4,650億円
MS&AD △1,572億円 ⇒ 7,539億円
SOMPO △778億円 ⇒ 5,124億円
<連結純資産(経済価値ベース)>
東京海上 3.1兆円 ⇒ 3.6兆円 ※2020年9月末との対比
MS&AD 4.4兆円 ⇒ 5.4兆円
SOMPO 2.7兆円 ⇒ 3.4兆円
いずれも相当な改善でして、なかでもMS&ADは純資産が1兆円も増えました。株価上昇、金利上昇といった市場変動によるところが大きいとみられます。3メガ損保グループともに、いかに市場変動の影響を大きく受けるかがわかります。
※アジサイがもう咲き始めましたね。