「脱・役所」の金融庁人事

週末にかけて家族旅行で札幌と旭山動物園に行ってきました。数年ぶりにスキーにも挑戦。
それにしても、動物園もスキー場も外国のかたが多くてびっくりです。

読売新聞の金融庁特集

先週28日の読売新聞にコメントが載りました。
いつもの保険関連ではなく、「脱・役所」の金融庁人事のなかで使われています。
リンクがいつまで有効かわからないので、私が関係する部分だけ引用しておきます。

---(引用はじめ)---
出席した一人で金融機関向け助言会社キャピタスコンサルティングで働く植村信保(52)は、リーマン・ショック後の2010~12年に在籍した。危機の教訓から世界中が金融機関の経営に厳しい目を向け、規制強化の流れが進んだ頃だ。

植村は元保険アナリストで保険会社の破綻事例に精通している。リーマン・ショック直後は中堅の大和生命保険が経営破綻し、金融庁は規制見直しに向けて専門家の知見を欲していた。植村は任期を当初の予定から半年延長し、2年余りをかけて経営の健全性を維持させるためのルールづくりに取り組んだ。植村は自負する。「金融庁幹部は問題の本質を理解する能力は高いが、配置換えが早く、専門性が高いとは必ずしも言えない。民間人材の知見を生かせたのではないか」
---(引用おわり)---

「植村は自負する」といった記述は記者さんの創作ですが、記事によると、大蔵省から分離して間もない1990年代後半~2000年代前半が「第1世代」、リーマン・ショックの後が「第2世代」、フィンテック時代の今は「第3世代」だそうで、私は第2世代に当たります
(ちなみに私がそのように整理したのではありません^^)。

「調整力」に偏りすぎていないか

金融庁には弁護士が約40人、公認会計士が約70人、金融機関の出身者やシステムエンジニアなどを加えると民間人材が400人近くも在籍しているそうです。
この「民間人材」には、任期が終わると民間に帰るかたと、民間から金融庁に転職したかたがいます。さらに、金融庁参与も民間人材の活用ですが、この400人に含まれているかどうかはわかりません。

もっとも、民間人材イコール助っ人という感覚は、そろそろ改められるべきではないでしょうか。
他の省庁に比べれば民間人材の活用が相当進んでいるとはいえ、民間出身者がいわゆる幹部となったケースはほとんどありませんし、官と民を行き来する「回転ドア」も、実質的には限られています。
さらに言えば、プロパーでも特定分野に専門性を持つようなかたは珍しく、海外の金融当局とはかなり違うという印象です。

記事にあるように、「権謀術数が渦巻く永田町や霞が関での調整力がなければ、日本では望ましい政策を実現できない」「専門家の正論だけでは対処できない世界は、兄貴分の財務省に一日の長がある」というのは、現実なのかもしれませんが、グローバル化が進む世界において、それで大丈夫なのかと思ってしまいます。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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