ホテルのサービス

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写真を見ていたら、金沢のホテルに泊まった時のことを思い出しました。

近江町市場で黄桃を買い、部屋で食べようとしたところ、
部屋にはナイフもフォークもありませんでした。

そこでルームサービスにナイフを借りようとしたら、
「防犯上の関係でお貸しできません」という返事。
ナイフがだめなのは飛行機の中だけではなく、
今やホテルでもナイフを貸してくれない時代なのですね。

ただ、「代わりにカットしてお持ちしましょうか」という
ありがたい申し出があったので、お願いすることにしました。

数分後にホテルマンが持ってきてくれたのが右の写真です。
これには感動しました。ここまできれいに盛り付けてくれるなんて。
しかも、彼は何も受け取らず帰っていきました
(想定外のサービスだったので、チップを渡そうとしたのです)。

マニュアル通りだったとしても、料金にサービス料が含まれているとしても
(割安宿泊プランでしたが...)、ちょっとうれしい話でした。
日本のサービス業はすごいですね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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1社専属と乗合

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金融庁が先月公表した「平成22 検査事務年度検査基本方針」では、
検査重点事項として次のような記述があり、大きな反響を呼んでいるようです。

「最近では、経営の大規模化及び取扱保険商品の広範化が認められる
 保険代理店(生命保険募集代理店及び損害保険代理店をいう。)が
 増加していることを踏まえ、当該保険代理店については、所属保険会社に
 おける保険代理店に対する管理態勢を検証するのみならず、必要に応じて
 当該保険代理店に対する金融検査を実施し、適切な保険募集管理態勢が
 整備されているか検証する。」

金融庁HPへ

立場上、さすがにこれ以上のコメントはできませんが、
保険流通の変化がこんなところにも表れているのだと感じます。

ただ、個人的には「1社専属はだめで、中立的な乗合代理店がいい」
という保険マスコミによく見られる論調にはやや疑問を持っています
(そんなに単純な話ではないだろうという意味で)。

生保営業職員のような1社専属の募集人は、もちろん所属する
保険会社の商品・サービスしか提供できません。
これに対し、保険ショップのような何十社の保険会社の商品を
提供する代理店では、顧客が複数の保険会社の商品を比較検討し、
購入することができます。

一見すれば、後者のほうが消費者利益にかなっているように見えますが、
本当にそうなっているのか。

例えば、顧客は保険ショップ等で商品をきちんと比較検討できて
いるのでしょうか。
この点について、これまでブログでも何回か書いてきましたが、
私はかなり疑問を持っています。

また、募集人が特定の会社の商品を薦めることはないのでしょうか。
現場で耳を傾ければ、「1社に集中させないと手数料ランクが下がってしまう」
「ある会社から『○億円売ってくれたらボーナスとして×億円出す』と言われた」
といった話がしばしば聞こえてきます。

乗合代理店が中立的という保証は、残念ながらどこにもありません
(大半が顧客本位だと信じたいところですが...)。
だからといって、複数の1社専属チャネルに接触し、比較検討するのは
消費者にとって大きな負担でしょう。

やはり「比較情報の充実」がキーとなりそうですが
引き続きいろいろ考えてみたいです。

※いつものようにコメントはあくまで個人的なものですので、
 よろしくお願いします。

※写真は金沢・近江町市場で見つけた野菜たち。
 市場で見た食材が翌日の朝食に出ると、とてもうれしくなりますね。

 

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低金利貸出の増加

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バーゼル銀行委員会による新たな自己資本規制は
2013年から2019年にかけて段階的に実施される方向となりました。
銀行は大規模な増資や資産圧縮に動く必要はなくなりましたが、
毎期の利益から内部留保を積み上げていかなければなりません。

しかし、長引く低金利の影響に加え、低迷する資金需要、
激しい金利競争などの結果、銀行の低金利貸出が増えています。
日本銀行の統計をみると、国内銀行の貸出に占める
金利1%未満の貸出は全体の25%に達しています。

10年前であれば、金利3%以上の貸出は全体の15%、
5年前でも全体の10%はありました。
それが、直近では全体の7%まで下がっています。

すでに調達金利はほとんど下がる余地はないでしょうし、
クレジットコストも無視できません。
日本の銀行はどうやって利益を上げていくのでしょうか。

※写真は金沢の歴史的町並みです。

 

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初のペイオフ発動

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日本振興銀行が経営破綻し、一定額(元本1000万円とその利息)
を超える預金者に影響が生じることとなりました。
保護されない預金者が出るのは現行制度になって初めてことです。

すべての破綻処理でペイオフが発動されるわけではないにせよ、
預金削減が現実に起こりうる世の中になったことが示されました。

もっとも、保険会社の破綻処理では銀行等と違い、
以前から契約者負担が基本となっています。

生命保険契約者保護機構の補償対象は保険金額ではなく、
破綻時の責任準備金(正確には全期チルメル式ベース)の
9割ですし、高予定利率契約ではさらに低い水準となります。

加えて、生保は満期や終期までの期間が長いことが多いため、
予定利率引き下げの影響を強く受けます。
特に高予定利率契約の場合、将来受け取る保険金や年金が
大幅に減ってしまいます。

損保も契約者負担がセットです。
自動車保険や個人向け火災保険など、当初3ヶ月間だけは
保険金額が100%補償される種目もあります(詳しくはこちら → 保護機構HPへ)。
しかし、100%補償の対象ではない種目も多いので要注意です。

もちろん、早期発見、早期対応の仕組みが機能することが
重要なのは言うまでもありません。

※写真は金沢です。こんなモダンな駅に生まれ変わっていたのですね。

 

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がんに関する意識調査

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先月になりますが、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)が
「がんに関する意識調査」を発表しています。
アフラックのニュースリリース
アフラックではがんに関する各種イベント(セミナーや展示会など)
を開催しており、来場者にアンケート調査を行った結果だそうです。

アンケートによると、がん告知を望む人は全体の96%と
圧倒的でした(がん経験のない人が回答)。
回答者はおそらくがんに対する関心や意識が高い層のはず。
とはいえ、ここまで高いとは思いませんでした。

実際の告知率データは残念ながら見つかりませんでした。
国立がんセンターなど、がん医療の主要拠点病院では
ほぼ100%告知されるようですが、全体としてはよくわかりません。

ただ、私の父の場合もそうでしたし、芸能人の例を見ても、
がん告知は急速に普及しているようです。

がん治療費用に関する調査もあります
(保険会社が実施したアンケートですからね^^)。

がん経験のない人の7割以上が「200万円程度」「300万円程度」
「300万円以上」と回答したのに対し、
がん経験者の回答は、「50万円程度」が37%、
「100万円程度」が31%でした。
未経験者がイメージしているほどは、
実際には費用がかかっていないことが伺えます。

ただし、「300万円程度」「それ以上」という回答も
全体の12%を占めており、これをどう考えるかです。
保険でカバーしようとした場合、入院保険だけでは
あまり役に立たないような気がしますね。

※いつものことですが、コメントはあくまで個人的なものです。

※写真はJR城端線です。
 車窓から砺波平野の散居村が見えました。

 

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ヤフー・トピックの作り方

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「ヤフー・トピックスの作り方」(奥村倫弘、光文社新書)を読みました。

ヤフー・ジャパンのトップページに行くと
真ん中に8本のニュース見出しが載っていますよね。
あのコーナーの話です。
ヤフー・ジャパンのHPへ

ひと月の閲覧数が45億ページ、訪問者数が6970万人
(2009年10月時点)という巨大サイトですから、
あらためて説明するまでもないかもしれませんね。
今や日本最大級のニュースサイトだそうです。

このヤフー・トピックスに編集部があり、
人による編集を基本としているとは知りませんでした
(グーグルニュースは機械による編集です)。

本書を読むと、インターネットの時代になって
「ニュース」の概念が大きく変わってしまったことを
思い知らされます。

「取材なしで書かれた記事をニュースと呼んでいいのか」
「ジャンクフード・コンテンツのほうが読まれる傾向がある」
「ニュースの真偽を見分けるにはとてつもない労力が必要」
などなど。

新聞と違い、ネットのニュースサイトでは
どの記事が読まれたかを簡単に把握できます。
しかも、サイトを支えているのは一般に広告収入です。

「報道的な価値と読者の『知りたい情報』、そしてビジネス的な
 価値との間で絶妙のバランスを取っていくのは非常に困難」

という記述がありましたが、まさにその通りでしょう。

報道的な価値(=閲覧数では測れない社会的価値)
のあるニュースを発信し続けるにはどうしたらいいか。

トピックス編集部には何とか今の方針を続けてほしいですが、
現場の頑張りだけでは限界があるようにも感じます。
本当にどうしたらいいのでしょうね。

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※写真は城端(富山県南砺市)です。
 「思わぬ掘り出し物」のようないい町でした。

 

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防災の日

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9月1日は防災の日。
政府の防災訓練では東海、東南海、南海の3地震が
同時発生した想定で訓練を行ったそうです。

3つの地震が連動する。
恐ろしい想定ですが、非現実的なことではありません。

・1605年の慶長地震(3地震同時発生)
・1707年の宝永地震(3地震同時発生)
・1854年 安政東海地震の32時間後に安政南海地震が発生
・1944年 東南海地震 → 2年後(1946年)に南海地震が発生
 ※東海地震は発生せず

東海地震は150年以上発生しておらず(=いつ発生してもおかしくない)、
東南海・南海地震は概ね100~150年の間隔で発生するので、
東海地震と東南海・南海地震の連動発生リスクの高まりが
指摘されています。

政府が試算した今後30年以内の地震発生確率をみても、
東海地震が87%、東南海地震が60~70%、
南海地震が60%程度となっています。
「日常生活において無視できるほど小さな値ではない」
とのことです。

地震保険などによる金銭的な備えも重要ですが、
損害を最小限に抑えるリスクマネジメント、とりわけ、
意識の問題が大きいように思います。

※白川郷の家々は木造かつ萱葺き屋根なので、
 花火や歩きたばこの禁止、消防施設の整備など
 火災防止への意識が非常に高いようです。

 

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白川郷に行ってきました

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合掌家屋で有名な白川郷に初めて行きました。
息子との二人旅です。

白川郷は陸の孤島というイメージがあり、
実際、昭和初期まではまさにその通りでした。
今は高速道路(東海北陸自動車道)が全通し、
金沢から1時間、名古屋からでもたった2時間です。
こんなに気軽に行けるとは調べてみるまで知りませんでした。

交通が便利になったうえ、世界遺産への登録(1995年)もあり、
白川郷の観光客はこの10年で急増しています。
近年の訪問客数は1990年代前半の2倍です。

大半が日帰り客で、ピークは11時から3時とのこと。
この時間帯の白川郷は大賑わいです。
今回はそうでもありませんでしたが、
休日などは銀座や原宿のようになってしまうとか。

観光化が進んだことについて、村内でも賛否両論あるようです。
特に、観光業に関わっていない(=経済的な恩恵がない)住民には
近年の変化はありがたくないかもしれません。

私たちが泊った民宿のご主人(屋根の葺き替え名人でした)は、

「合掌集落を守っていなければ、人口が減り、若い人が減り、
 あとは衰退していくばかりだったんでしょうね。
 屋根の葺き替えもあるし、合掌集落を維持するのは大変だけど、
 守ると決めて、よかったんだと思いますよ」

と語っていました。

※右の写真が泊った民宿です。夕方以降は観光客がほとんどいなくなり、
 水や虫の音しか聞こえませんでした。

 

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大阪府民共済の退職金問題

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都道府県民共済グループの大阪府民共済が、
退任した前理事長への退任慰労金2.5億円を、
総代会の明確な議決なしに支払った問題について。

以前、週刊東洋経済の企画で4大共済を取材した際に、

「理事長の不正などを未然に防ぐ仕組みは、
 少なくとも連合会ベースではかなり整備されている」
(週刊東洋経済2007.11.10から引用)

としたものの、共済のガバナンス構造については
やや弱いと見ていたのですが、今回の件は残念でした。

各県の共済(単位生協)は連合会の下にあるように見えます。
しかし、ガバナンス構造は逆で、単位生協のほうが上です。
連合会の組合員は単位生協なので、連合会が単位生協を
コントロールする構造にはなっていません
(共済事業を通じてのコントロールはあります)。

また、単位生協の組合員は一般の共済加入者です。
共済を利用するために加入した人が大半なので、
単位生協の運営に関心を持つ組合員はほとんどいません。

このようなガバナンス構造の弱点をカバーできる唯一の砦が、
「組合員の相互扶助」という理念です。
ところが、報道から判断するかぎり、前理事長やその周囲の役員は
理念にかなった行動をとったとは言えないでしょう。
金額の問題ではありません。

長年経営に関わってきた役員に対し、周囲が何も言えなくなる。
ガバナンスの問題は頭が痛いです。

※写真はどこだかわかりますか。
 ちなみに上記の件とは全く関係ありません
 (この件で大阪に向かったわけではありません^^)

 

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差額ベッド料

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名著「医療保険は入ってはいけない」で有名なFP
内藤眞弓さんのセミナーに出席しました。

テーマは「今さら聞けない健康保険と民間医療保険の話」。
彼女が代表を務める「日本の医療を守る市民の会」
としてのスピーチだったので、会場には医療関係者なども
たくさん出席していたようです。
日本の医療を守る市民の会HPへ

スピーチのなかで「差額ベッド(特別療養環境室)料は
希望しないとかからない」という話がありました。

患者に同意書による確認を行っていない、あるいは
治療上や病棟管理の必要がある場合には、
病院は差額ベッド料を請求してはいけないのだそうです。

すると、質疑応答の時間に、ある医療関係者のかたから
ショッキングなコメントがありました。

救急車で急患を搬送していると、救急病院はしばしば
「差額ベッドでよければ受け入れる」と言い、
患者がOKと言わないと入院させてくれないのだそうです。

しかし、実際には普通のベッドも空いていることが多く、
かなりひどい病院もあるとのこと
(そのかたは具体名を複数挙げていました)。

この話がどの程度一般的なのか、ごく一部の例なのかは
私にはわかりません。

ただ、病院の経営環境がかつてに比べて厳しくなっているなかで、
儲かる患者を優先的に受け入れたいというインセンティブはあるはず。
厚生労働省が単に注意を促すだけではなく、
病院経営の実態をチェックしているのか、気になるところです。

差額ベッド料に限らず、医療の最新事情について
もっと勉強しなければいけませんね。

※写真は丸ノ内オアゾにあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の
 情報センターです。JAXAのOBが丁寧に解説してくれました。
 事業仕分けの影響でもうすぐ閉鎖されてしまうそうです。残念。

 

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