金融庁が先月公表した「平成22 検査事務年度検査基本方針」では、
検査重点事項として次のような記述があり、大きな反響を呼んでいるようです。
「最近では、経営の大規模化及び取扱保険商品の広範化が認められる
保険代理店(生命保険募集代理店及び損害保険代理店をいう。)が
増加していることを踏まえ、当該保険代理店については、所属保険会社に
おける保険代理店に対する管理態勢を検証するのみならず、必要に応じて
当該保険代理店に対する金融検査を実施し、適切な保険募集管理態勢が
整備されているか検証する。」
立場上、さすがにこれ以上のコメントはできませんが、
保険流通の変化がこんなところにも表れているのだと感じます。
ただ、個人的には「1社専属はだめで、中立的な乗合代理店がいい」
という保険マスコミによく見られる論調にはやや疑問を持っています
(そんなに単純な話ではないだろうという意味で)。
生保営業職員のような1社専属の募集人は、もちろん所属する
保険会社の商品・サービスしか提供できません。
これに対し、保険ショップのような何十社の保険会社の商品を
提供する代理店では、顧客が複数の保険会社の商品を比較検討し、
購入することができます。
一見すれば、後者のほうが消費者利益にかなっているように見えますが、
本当にそうなっているのか。
例えば、顧客は保険ショップ等で商品をきちんと比較検討できて
いるのでしょうか。
この点について、これまでブログでも何回か書いてきましたが、
私はかなり疑問を持っています。
また、募集人が特定の会社の商品を薦めることはないのでしょうか。
現場で耳を傾ければ、「1社に集中させないと手数料ランクが下がってしまう」
「ある会社から『○億円売ってくれたらボーナスとして×億円出す』と言われた」
といった話がしばしば聞こえてきます。
乗合代理店が中立的という保証は、残念ながらどこにもありません
(大半が顧客本位だと信じたいところですが...)。
だからといって、複数の1社専属チャネルに接触し、比較検討するのは
消費者にとって大きな負担でしょう。
やはり「比較情報の充実」がキーとなりそうですが
引き続きいろいろ考えてみたいです。
※いつものようにコメントはあくまで個人的なものですので、
よろしくお願いします。
※写真は金沢・近江町市場で見つけた野菜たち。
市場で見た食材が翌日の朝食に出ると、とてもうれしくなりますね。