「代理店型」と「通販型」

 

20日(日)の日経13面「家計 ここを教えて」で、
FPの藤川太さんが自動車保険の加入方法について書いています。

記事によると、「代理店型」と「通販型」に分けた場合、
それぞれのメリット、デメリットは次の通りだそうです。

代理店型のメリット
 ・専任の担当者がいて安心感が得られる
 ・熱心な担当者なら、手厚い対応が期待できる

 デメリット
 ・通販型と比べると保険料が高い

通販型のメリット
 ・条件によるが一般的に保険料が安い

 デメリット
 ・担当者に対面で説明してもらえない

たぶん私が聞かれても同じように答えると思います。

ただ、そういえば「代理店型」のほうに「保険会社」が出てきませんね。
保険会社と代理店が良好なパートナー関係を築いていることが
前提となっているのでしょう。

それには代理店が対面のメリットを発揮できるように、
保険会社がサポートする(少なくとも足を引っ張らない)ことが
不可欠だと思います。

たまにプロ代理店の皆さんの話を聞く機会もあるのですが、
いろいろと考えさせられてしまいます。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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「減益」報道に違和感

 

主要生損保の2010年4-12月期決算が出そろいました。

「主要生保 8社減益」
「3メガ損保 2社が減益」
「生保8社 株価低迷などで5社が減益」
「損保は2社が減益」

このような報道が中心だったようですが、
果たして「減益」にどのような意味があるのでしょうか?

例えば生損保の最終利益は、たまたまその期に
多額の資産売却益があると大きく膨らむでしょう。
評価損の場合には、株価下落の影響が同じであっても、
採用する減損ルールによって計上額が全く異なります。

保険関連の損益にしても、販売が好調な時ほど
新契約獲得費用がかさみ、減益になりがちです。
損保の損害率が上昇しても、異常危険準備金が
ある程度クッションになります(枯渇してしまえば別ですが)。

今回の生保決算では基礎利益の減益要因として
変額年金の最低保証関連コストが大きかったようです。
しかし、これは「本業のもうけを示す」のでしょうか。

今の日本の保険会計をもとに、他業界と同じ流れで
「減収となったものの、基礎利益は増加した」
「増収ながら減益を余儀なくされた」
などと解説しても、何も言っていないのと同じだと思います。

もう少し中身に注目したほうがいいのではないでしょうか。

※いつものように個人的なコメントということでお願いしますね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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林原の倒産

 

岡山を代表する優良企業と言われていた林原が
2/2に会社更生法の適用を申請しました。

林原は不動産で稼ぎ、研究開発に投資するといった
同族企業ならではの事業構造だったようです。
これが甘味料「トレハロース」や抗がん剤「インターフェロン」など
世界的な発明につながっています。

しかし、不動産投資や研究開発費が過剰債務となり、
さらに、多額の簿外債務など不正経理問題も発覚し、
経営が行き詰まった模様です。

ERMという観点から林原の倒産をみると、
やはりガバナンスの欠如ということになるのでしょうね。

非上場の同族企業で、社長は就任してから50年にもなります。
メインバンクの中国銀行は林原が10%強の大株主です。
外部チェックが入りにくかったのは明らかでしょう。
会計監査人も置いていなかったそうです
(銀行は何をしていたのでしょうか?)。

よくある話と言えばそれまでですが、
ある程度の社会的存在になると、それでは済まないでしょう。

※地元・大倉山の梅林です(下の写真は大倉山記念館)。

 

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捜査情報の提供

 

大相撲の八百長問題が連日ニュースを賑わせています。
「裏切られた!」と怒っている人もいるとは思いますが、
むしろ、「やっぱりね」という人が多いのかもしれません。

八百長が道義的に見ておかしいのは間違いありません。
ただ、警察も認めているように、法令違反ではなさそうです。

それでも警察が捜査情報の一部を文部科学省に提供したのは、
「日本相撲協会の事業に関する公益性が高い事項と判断」
(警察庁長官)したとのこと。

八百長問題で暴力団との関係を立証したのなら別ですが、
法的に問題がないと見ている段階で、公益性をたてに
捜査情報を他省庁に出していいものかどうか。

確かに八百長問題を調べることができるのは警察だけでしょう。
文部科学省の要請で警察が動いていたのかもしれません。

しかし、報道によれば、あくまで野球賭博問題の捜査のなかで
法的には問題ないが、公益性の観点から問題のある
「八百長」の証拠が見つかったので、情報提供したという話です。
この件で暴力団との関係は、今のところ見えていません。

「公益性」というのは、かなり曖昧な概念ですよね。
ちょっと引っかかってしまいます。

参考までに、2/3の読売新聞によると、情報提供は、

「国の行政機関が一体となって業務遂行することを義務付けた
 国家行政組織法2条などに基づいて行われた。 同庁は、
 暴力団関連企業を公共事業から排除するため国土交通省に
 情報提供したり、国際テロ関連の情報を外務省などと交換したりしている」

とのこと。また、同日の時事通信には、

「刑事訴訟法は、捜査上の証拠書類を裁判の開始前に公にしてはならない
 としているが、公益上の必要性がある場合などは、例外的に認めている」

と別の話がありました。

 

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破綻生保の既契約

 

米プルデンシャルは2/1(火)、AIGエジソン生命と
AIGスター生命の株式取得を完了したと発表しました。

金融危機後のAIGグループ生保の再編がおおむね終了し、
プルデンシャルは日本の生保市場で最大規模の
外資系グループとなりました。

このグループのもう一つの特色は、破綻した生保の既契約が
重要な顧客基盤となっていることです。

 日産生命(あおば生命) → プルデンシャル生命が買収

 東邦生命 → GEエジソン生命(現AIGエジソン生命)に包括移転

 (第百生命 → マニュライフ生命に包括移転)

 大正生命 → 大和生命(現PGF生命※)に包括移転

 千代田生命 → 破綻後、AIGスター生命へ

 協栄生命 → 破綻後、ジブラルタ生命へ

 (東京生命 → 破綻後、T&Dフィナンシャル生命へ)

 大和生命 → 破綻後、PGF生命※へ

  ※プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命

つまり、破綻した生保8社のうち6社が、回りまわって
プルデンシャルの傘下となっているのですね。

破綻生保の契約者は、将来の安心を買ったつもりが、
加入した生保の経営危機でかえって不安な思いをしたうえ、
最終的に何らかの不利益を被るという、心情的には
「ありえない」経験をしています。

当時を経験している役職員のかたも多いでしょうから、
経営管理やリスク管理などの面で生かされるといいですね。

※いつものとおり個人的なコメントということでお願いします。

※写真は御茶ノ水駅。聖橋の上から撮りました。

 

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覆面座談会

 

1/31の保険毎日新聞に「保険業界は変わるのか」という、
ERMをテーマとする異色の覆面座談会が掲載されていました。
業界紙でも、このような企画は珍しいのではないでしょうか。

記事の見出しをいくつか引用すると、

「今こそERMの構築を」
「透明性が生き残りの道」
「リスクカルチャーの醸成必要」

など、私が普段口にしているような話が多々出てきますが、
あいにく(?)私はこの座談会メンバーではありません^^
(断っておかないと疑われそうなので...)

いきなり「リスク・アペタイト」という言葉が出てくるし、
読者に言いたいことがうまく伝わるかという心配はあるものの、
面白い試みだと思います。

「日本のアクチュアリーが仮にリスク管理部に配属されても、
 計算技術を期待されるだけに終わってしまうことが多いと
 考えられるが、それではあまりに惜しい」

「本来、リスクは組織のあらゆるところにあり、ある意味で
 組織全員が当事者になり得る。その意識がないところに
 カルチャーは定着しない」

「金融当局が直接、経営者にリスク管理の全体像を問い、
 それに対して自社のリスク・アペタイトがどうなっているか、
 経営者が手元資料を見ずに説明できるような時代が
 待たれているといえる」

といった気になるコメントもありました。

業界紙なのでなかなか入手しづらいかもしれませんが、
機会がありましたらぜひご一読を。

※週末の横浜中華街は満員電車のようでした。

 

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S&Pの日本国債格下げ

 

27日の夕方にこのニュースを聞いた時、
AA水準にとどまったうえ、アウトルックが「安定的」だったため、
「やっぱりね」といった程度の感想でした。

市場関係者の多くも同じような反応だったようです。
ですから、ここまで大きく報道されるとは予想外でした。

今回の格下げ報道を、与野党の政治家が警告と受け止め、
財政再建に向けた議論を促す効果があるのであれば、
むしろポジティブな話かもしれませんね。

ただ、「疎い」発言の揚げ足取りに終わってしまう可能性も
否定できません。

S&Pは発表分のなかで、

「連立与党が参議院選挙で過半数議席を確保できなかったこともあり、
 民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けている」

「国債発行額の承認を含めた、2011年度予算案と関連法案が
 国会の承認を得られない可能性さえあるとS&Pはみている」

と、政治の混乱を格下げ要因のひとつに挙げています。
単に政府の借金が増えたから格下げ、ではないのですね。

財政健全化への道筋を示せるかどうか。
自分の子孫にこれ以上つけを回すのは勘弁してほしいです。

※今年は富士山がよく見えますね。

 

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若いときに買うのが有利?

保険毎日新聞の海外ニュースで、
「生命保険 若いときに買うのが有利」
という記事がありました。カナダの話です。

日本でもしばしば、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
というセールストークを耳にします。

本当にそうなのか考えてみましょう。

1.若いときに入ったほうが保険料が安い

確かに同じ終身保険でも、25歳で加入した場合のほうが、
35歳で加入した場合よりも、毎月支払う保険料は安いですね。

しかし、当然のことながら、毎月の保険料を単純に比べても
意味がありません。
前者は25歳から保険料を払い続けるのに対し、
後者で支払いが始まるのは35歳からです。

どちらを選ぶかは、25歳から34歳までの保障が
必要かどうかという判断なのでしょう。

2.年をとると保険に入れない可能性が高まる

これはその通りだと思います。

ただ、健康状態が悪化し、保険に入れなくなるリスクが
高まるペースは年代によってかなり異なります。

手元に統計はありませんが、40代以降にもなると、
死亡率や病気の発生率は年々高くなるようです。
でも、35歳くらいまではそれほどでもありません。

もちろん、若くても健康状態が悪化することはあるので、
その可能性をどう受け止めるかによりますね。

3.保険には強制貯蓄効果がある

解約返戻金が貯まっていくタイプの保険なら、
保障を得つつ、自然にお金も貯まっていくことが期待できます。

とはいえ、貯蓄性のある商品の保険料は結構高いですし、
何より予定利率1%台の商品で運用先を固定してしまうのが
得策かどうか。

金利が上昇し、他の商品に乗り換えたくなっても、
解約したら保障がなくなってしまいます。

このようにメリットと言われる点を検証してみると、
若いときにも保障がほしいと考える人は別として、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
とまでは言い切れないように私には思えます。

※意見には個人差があります。念のため。

 

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親離れ・子離れ

 

「親離れ・子離れに関する意識調査」という
(私にとって)気になるアンケート結果を見つけました。
アメリカンホーム保険のHPへ

回答者が「子どもの頃に親と外出するのが最も嫌だった年頃」を聞くと、
母親は「12歳~15歳(50.0%)」、父親はそれよりも少し遅い
「16歳以上(48.6%)」と答えた人がそれぞれ最多となったそうです。

これに対し、子どもが喜んで親と外出するのは「9歳~11歳まで(41.4%)」
と思う親が最も多かったとのこと。

確かに私の周囲でも、女の子は小学校の高学年になると、
身近な異性である父親を嫌うという話をしばしば耳にします。

私の場合、11歳の娘と二人でスキー旅行に行くなど、
とりあえずまだ娘に嫌われていないようです
(だんだん反抗的になってきましたが)。

ただ、担任の男の先生(30代半ば)に対しては
えらく反発しているようで、代わりに嫌われてくれている感じ。
何となく同情してしまいます^^

息子(16歳)のほうは、さすがに喜んで親と外出はしません。
中学生になり、部活が忙しくなったあたりからでしょうか。
誘っても一緒にくるのは5回に1回くらいです。
まあ、自分もそうだったような気がしますね。

 

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バーゼルⅢ

 

バーゼルⅢについて話を聞く機会がありました。

昨年11月のソウルG20サミットによる大筋合意と、
12月の自己資本規制案などの公表などで、
バーゼルⅢの全貌が明らかになりつつあります。

残る注目点はSIFIs(システム上重要な金融機関)
に関する議論あたりでしょうか。

改めて12月の規制案をみると、段階的導入とはいえ、
最終的に銀行が必要な資本水準は大幅に高まります。

しかも、金融危機の反省から「損失吸収力」が注目され、
Common Equity、つまり普通株と利益剰余金重視の
制度となります。
最終的に求められるCommon Equity比率は4.5%で、
これに何種類かの資本バッファーが加わる見込みです。

さらに、総資産と自己資本を比べただけの
「レバレッジ比率」や、新たな流動性基準などもあります。

こうなってくると、銀行は普通株による調達に走る、
毎期の利益をためこむ、リスクアセットを圧縮する、
といった行動に向かわざるをえないでしょう
(あくまで一般論ですが)。

気になるのは、厳しい規制でリターンを上げにくくなった
銀行の普通株を誰が買うのか、という点です。

投資家は規制に協力するために株式を買うのではなく、
投資先の価値が高まると期待して購入するはずですよね。
銀行はどのようなビジネスモデルで株主の期待に
応えるのでしょうか。

また、これだけ資本規制・流動性規制が強化されると
「3本柱アプローチ」はどうなってしまったのかという
疑問も出てきますよね(形は残っているとしても)。

特に第2の柱については、機能しなかったと総括するのは
ちょっと早すぎるのではないでしょうか。

 

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