主要生損保の4-9月期決算が出そろいました。
格付会社のアナリストをしていた昨年までは、
決算発表の集中日となると、データ収集&分析をしつつ、
緊急対応(格付け見直し)やメディア対応に追われていました。
今は仕事が変わり、落ち着いて分析できると思いきや、
なかなかそうもいきません。
このところ時間管理がますます重要になってきました。
それはそうと、少しはアナリストらしい話をしましょう。
大手損保の4-9月期決算で私が注目していたのは
自動車保険の損害率の動向でした。
発表されたデータは次の通りです(損調費を含むE/Iベース)。
2009/4-9 2010/4-9
東京海上日動 67.1% → 69.5%(+2.4ポイント)
三井住友海上 69.3% → 74.5%(+5.2ポイント)
あいおい損保 64.8% → 66.7%(+1.9ポイント)
ニッセイ同和 74.0% → 84.9%(+10.9ポイント)
損保ジャパン 68.4% → 70.8%(+2.4ポイント)
日本興亜損保 63.8% → 71.1%(+7.3ポイント)
E/Iベースは既経過保険料と発生保険金で計算します。
正味損害率(正味収入保険料と正味支払保険金等で計算)と違い、
収入と支払の期間が対応しているというメリットがあります。
7-9月に交通量が増えた影響も大きいようですし、
会社によっては特殊要因があるかもしれません。
とはいえ、ここまで高くなると、多少料率を引き上げたくらいでは
焼け石に水という感じもします。
さりとて料率を急激に引き上げるのは現実には難しいでしょうし、
引受面や支払面で大手が思い切った対策をとるわけにもいかず、
残るはコスト面での対応となるのでしょうか?
※いつもの通り、個人的なコメントということでお願いします。