もうすぐ70歳になる私の母(元気です)が突然、
「医療保険に入ろうかしら」と言い出したのでびっくりしました。
私 「健康保険に入っているのに?」
母 「病気をすると何かとお金がかかるでしょ。将来不安よねぇ。
年金生活だから苦しいと思うわ」
私 「高齢者の自己負担は少ないし、貯金もあるでしょ。
病気になっても収入が途絶えることはないんだし」
母 「でも、貯金は使いたくないわ。いろいろ宣伝してるじゃない」
私 「民間の保険は単に病気になっただけではお金はもらえないよ。
それに毎月保険料を払うと、それこそ家計の負担になるけど。
保険料を払うつもりで貯金するのがいいんじゃない?」
こんな会話をしたところ、日曜日(14日)の日経15面に
「退職後の医療保険、加入すべき?」というコラムが載っていて、
FPの藤川太さんが答えていました。
結論は私とほぼ同じとはいえ、さすがプロのアドバイスです。
・老後の医療費は公的な「高額療養費」の活用と貯蓄で
十分賄えるので、民間医療保険への加入は不要。
・保険料相当額は定期預金など別口座で管理。
医療だけでなく、様々な事態に備えるお金として生かせる。
・それでも不安が残るなら、リスクの対象をがんに絞ったらどうか。
藤川さんは、こうも書いています。
「漠然とした不安に駆られ、十分な金融資産を持っている人ほど、
保険に加入する傾向が強くあります」
合理的に考えれば、現在の医療保険ではどうかなと思うのですが、
一般に「老後は経済的に不安」「貯金は取り崩したくない」
という強い意識があるなかで、保険への期待は大きいようです。
願わくは不安に乗じたビジネス(今がそうだという意味ではありません)
ではなく、双方が経済的にも利点があるような保険がいいですね。
今後のイノベーションに期待しましょう。