04. 保険商品、チャネル

若いときに買うのが有利?

保険毎日新聞の海外ニュースで、
「生命保険 若いときに買うのが有利」
という記事がありました。カナダの話です。

日本でもしばしば、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
というセールストークを耳にします。

本当にそうなのか考えてみましょう。

1.若いときに入ったほうが保険料が安い

確かに同じ終身保険でも、25歳で加入した場合のほうが、
35歳で加入した場合よりも、毎月支払う保険料は安いですね。

しかし、当然のことながら、毎月の保険料を単純に比べても
意味がありません。
前者は25歳から保険料を払い続けるのに対し、
後者で支払いが始まるのは35歳からです。

どちらを選ぶかは、25歳から34歳までの保障が
必要かどうかという判断なのでしょう。

2.年をとると保険に入れない可能性が高まる

これはその通りだと思います。

ただ、健康状態が悪化し、保険に入れなくなるリスクが
高まるペースは年代によってかなり異なります。

手元に統計はありませんが、40代以降にもなると、
死亡率や病気の発生率は年々高くなるようです。
でも、35歳くらいまではそれほどでもありません。

もちろん、若くても健康状態が悪化することはあるので、
その可能性をどう受け止めるかによりますね。

3.保険には強制貯蓄効果がある

解約返戻金が貯まっていくタイプの保険なら、
保障を得つつ、自然にお金も貯まっていくことが期待できます。

とはいえ、貯蓄性のある商品の保険料は結構高いですし、
何より予定利率1%台の商品で運用先を固定してしまうのが
得策かどうか。

金利が上昇し、他の商品に乗り換えたくなっても、
解約したら保障がなくなってしまいます。

このようにメリットと言われる点を検証してみると、
若いときにも保障がほしいと考える人は別として、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
とまでは言い切れないように私には思えます。

※意見には個人差があります。念のため。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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比較サイトで競争自演

 

3日の朝日新聞1面に「バイク王、価格競争装う」
という記事が出ていました。

比較サイト上の業者が、実はすべて同一グループの経営
(各業者が同一グループとわからないようになっていた)
というバイクの比較サイトがあったそうです。すごい話ですね。
すでに閉鎖されているため、残念ながら?確認はできません。

保険をはじめ、様々な商品の購入を検討する際に、
比較サイトを利用するかたは多いのではないでしょうか。
最大手カカクコムのグループサイト月間利用者数
(ユニークユーザー数)は6703万人に上るとか。

しかし、比較サイトのビジネスモデルについて、
ご存じのかたはあまり多くないかもしれません。

私もそれほど詳しいわけではありませんが、
一般に、比較サイトの収入源は、販売実績や
顧客誘導実績に応じた手数料等の収入、
あるいは広告料、広告商品の販売収入などのようです。

比較サイトには「中立な第3者」というイメージがあります。
実のところ、その保証はありません。
例えば、手数料率の高い会社の商品に顧客を誘導することも
できてしまうような危うさがあります。
もちろん、そのようなサイトはほとんどないと思いたいです。

なお、保険の場合、募集代理店とは違い、
比較サイト自身には保険業法の規制は及びません。
保険の販売を行っているわけではないからです。

上場企業だからといって信頼できるとは限りませんが
(今回のアイケイ社は東証2部上場企業です)、
少なくとも実態が不透明な比較サイトは避けるべきでしょう。

そのうえで、比較サイトの情報を鵜呑みにせず、
最後は自分で判断するという姿勢が大事なように思います。
ネット時代の消費者も大変ですね。

 

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1社専属と乗合

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金融庁が先月公表した「平成22 検査事務年度検査基本方針」では、
検査重点事項として次のような記述があり、大きな反響を呼んでいるようです。

「最近では、経営の大規模化及び取扱保険商品の広範化が認められる
 保険代理店(生命保険募集代理店及び損害保険代理店をいう。)が
 増加していることを踏まえ、当該保険代理店については、所属保険会社に
 おける保険代理店に対する管理態勢を検証するのみならず、必要に応じて
 当該保険代理店に対する金融検査を実施し、適切な保険募集管理態勢が
 整備されているか検証する。」

金融庁HPへ

立場上、さすがにこれ以上のコメントはできませんが、
保険流通の変化がこんなところにも表れているのだと感じます。

ただ、個人的には「1社専属はだめで、中立的な乗合代理店がいい」
という保険マスコミによく見られる論調にはやや疑問を持っています
(そんなに単純な話ではないだろうという意味で)。

生保営業職員のような1社専属の募集人は、もちろん所属する
保険会社の商品・サービスしか提供できません。
これに対し、保険ショップのような何十社の保険会社の商品を
提供する代理店では、顧客が複数の保険会社の商品を比較検討し、
購入することができます。

一見すれば、後者のほうが消費者利益にかなっているように見えますが、
本当にそうなっているのか。

例えば、顧客は保険ショップ等で商品をきちんと比較検討できて
いるのでしょうか。
この点について、これまでブログでも何回か書いてきましたが、
私はかなり疑問を持っています。

また、募集人が特定の会社の商品を薦めることはないのでしょうか。
現場で耳を傾ければ、「1社に集中させないと手数料ランクが下がってしまう」
「ある会社から『○億円売ってくれたらボーナスとして×億円出す』と言われた」
といった話がしばしば聞こえてきます。

乗合代理店が中立的という保証は、残念ながらどこにもありません
(大半が顧客本位だと信じたいところですが...)。
だからといって、複数の1社専属チャネルに接触し、比較検討するのは
消費者にとって大きな負担でしょう。

やはり「比較情報の充実」がキーとなりそうですが
引き続きいろいろ考えてみたいです。

※いつものようにコメントはあくまで個人的なものですので、
 よろしくお願いします。

※写真は金沢・近江町市場で見つけた野菜たち。
 市場で見た食材が翌日の朝食に出ると、とてもうれしくなりますね。

 

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一時払い終身保険が人気

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24日の読売新聞に、
「銀行窓販の一時払い終身保険の人気が高まっている」
という記事が載りました。

「現在の低金利が続けば、結果的に銀行の定期預金より
 利回りが高くなる可能性もあり、貯蓄商品としても使える」
「法定相続人1人当たり500万円の相続税非課税枠を活用できる」

というのが人気の秘密だそうです。

「貯蓄商品としても使える」といっても、数百万円、あるいは
数千万円の保険料を一括で支払える契約者なのですから、
そもそも死亡保障が主目的ではないのでしょう。

ただ、貯蓄商品としてみた場合、どうなんでしょうか。

通常は10年程度たたないと、解約返戻金が払込保険料を
下回ってしまう商品が多いようです。その後も、
「結果的に定期預金より利回りが高くなる可能性がある」
くらいのリターンしか見込めないわけですが、
10年以上も資金を固定させる見返りが少ないように感じるのは
私だけでしょうか。

他方、相続税非課税枠は確かに保険ならではです。
とはいえ、5000万円+法定相続人1人当たり1000万円の
非課税枠を超えなければ、関係ありません。

記事にはありませんでしたが、特定の人にお金を残せる、
すなわち、特定受取人の生命保険金は遺産分割の対象にならない
というメリットが最も大きいのではないかと思います
(ただし、著しく不公平な場合には遺産分割の対象になるようです)。

※毎度のことですが、コメントはあくまで個人的なもので、
 仕事とは一切関係ありません。
 右の写真は「二ツ池」です。三ツ池公園のそばにあります。

 

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働く人への保険

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インターネット生保のライフネット生命が
2月下旬から新商品「就業不能保険」の販売を開始しました。

ライフネット生命のHPへ

以前、ニッセイ基礎研究所の明田裕さんが「共済と保険」で
「『ディサビリティ』こそ生保・共済事業のフロンティア」という
非常に興味深い論文を書かれていたのを思い出しました。

論文の「はじめに」から引用すると、

・狭義の「医療・介護」分野の将来は必ずしもバラ色ではない

・障害・就業不能のリスクは相対的に高まっていることから、
 「医療・介護」の幅を広くとらえてこれらを包摂し、
 消費者の認知度の向上を含めた対応を進めていく必要がある

と、障害・就業不能(ディサビリティ/Disability)市場の将来性に
注目しています。
ライフネット生命の新商品はまさにこの分野です。

ざっとHPを見ただけですが、確かに私にとっても就業不能のリスクは
大きそうですし、備えが十分とは言えません。

ただ、気になったのが、①就業不能給付金の支払事由、
②日本における就業不能データの存在、です。

約款(HPで公表されています)を見ると、給付金が支払われるのは

「就業不能状態が日本の医師の診断書によって証明されること」

「就業不能状態とは、傷害または疾病により、日本国内の病院もしくは診療所への
 治療を目的にした入院、または日本の医師の指示により在宅療養をしており、
 少なくとも6か月以上、いかなる職業においても全く就業ができないと
 医学的見地から判断される状態(死亡したら就業不能状態ではなくなる)」

となっています。

「いかなる職業」でも「全く就業できない」状態のイメージをつかめないと、
お客さんがついてこないようにも思います。

②については単に私が知らないだけなのかもしれません。
日本にはこのような就業不能状態の発生/消滅データがあるのでしょうか
(ちなみに明田論文では公的年金の「障害発生率」が紹介されています)。

新商品では米国など海外のデータをそのまま参考にしているのか、
あるいは公的データが存在するのか(損保にはデータがあるかも?)。
付加保険料を抑えたといっても、実は安全割増をものすごく大きく
とっているのかもしれません。
しかも、実績として示されるのはかなり先のことです。

詳細は企業秘密でしょうし、もちろん監督当局の認可を得ているのですが、
難しい分野なので、何かもう少し手掛かりがあると安心できますね。

とはいえ、開業以来初めての新商品が「働く人の保険」というのは
新しいライフネット生命らしい取り組みだと思います。
こうやって会社のブランドが形成されていくのでしょう。

※写真左は那覇市内のビーチ。なんと泳いでいる人がいました。

 

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年金保険 税改正で波紋

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2010年度の税制改正大綱に年金保険の税優遇廃止が
盛り込まれたという報道がありました(3日の日経です)。

数年前の逓増定期保険の税制見直しと同様、
節税目的で保険を売るビジネスの危うさが
浮き彫りになった格好です。

逓増定期のときには中小企業の経営者が顧客でしたが、
こんどは銀行や証券会社の富裕なシニア顧客でしょうか。
どのような売り方をしていたのかが問われますね。

もっとも、このところ銀行による保険商品の販売意欲が
再び高まっているという話をしばしば耳にします。
アフラックの決算をみても、四半期ごとに銀行チャネルの
新契約シェアが高まっています。

これで弊害防止措置が緩和されれば、プロ代理店にとって
いよいよ無視できない存在になるのでしょう。

※丸善に行ったらこんな本を見つけました↓
 何かの参考になるかもしれません。
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がん保険 いる?いらない?

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26日の朝日新聞「がん新時代」に医療保険の記事がありました。
「十分な貯蓄あれば不要」「年齢・加入期間で赤字も」という見出し。
著名FPの内藤眞弓さん、藤川太さんのコメント付きでした。

保険が得意とするリスクヘッジは、
「滅多に起きないけど、起きたら経済的に大変」
というリスクです。
自動車保険の対人賠償や火災保険、死亡保険などがそれにあたります。

これに対し、病気のように、
「それほど珍しくはなく、経済的にはそこそこの負担」
というリスクに対しては微妙なところです。
どのように備えるかは個人の好みが大きいように思います
(貯蓄が基本だとは思います)。

ただ、がんの場合、治る病気になっってきたとはいえ、
闘病生活には直接的な医療コストのほかにも
何かと費用がかさむようです(個人的な経験から)。

しかも、週刊東洋経済2010年1月23日号によると、
他の病気では死ななくなり、高齢化が進んだ結果
最後にがんで亡くなるケースが拡大しているとのこと。

入院リスクをカバーするだけなら貯蓄で十分と思えますが、
一時金を手厚くしたがん保険にはちょっと心が動きますね。

※写真は横浜の定番スポット
 「港の見える丘公園」「外人墓地」です。

 

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損保協会の比較サイト

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日本損害保険協会が最近、自動車保険商品の比較サイトを開設しました。

損保協会・自動車保険比較サイトへ

最初は「保険料の比較ができないサイトなんて利用価値がない」
とも思ったのですが、価格以外にどの項目を比べればいいのかを
知るうえでは参考になりそうです。

例えば、人身傷害保険や車両保険の選択パターンが示されています。
主な特約や割引制度も示されていて、便利です。
主なサービスや商品の特徴も簡潔に記されています。

もちろん、リスク細分がどのような条件設定で行われているか
(年齢、運転者の範囲、免許証の色、使用目的、走行距離など)
という情報もあります。

数年前に開催された「比較討論会」では、業界団体に比較情報の提供を
期待する声が多く、私などは非常に違和感を覚えたものですが、
様々な制約があるなかで、損保協会の取り組みは評価したいと思います。
価格情報はないですが、リンク先で見積もりを出すことはできそうですし。

あとは生保と第三分野ですが、今のところ具体的な動きはなさそうです。
このままですむとは思えないのですが。

※渋谷で待ち合わせをしたら、モヤイ像がなくなっていました。
 なかなか面白い企みですね。

 

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JA共済の推進活動

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NPO法人学際領域研究所の「保険販売チャネルに関するフォーラム」で
JA共済の話を聞きました。
JA共済ならではの面白い話を伺うことができました。

東洋経済の共済特集で原稿を書いた関係で、
JA共済には何回かインタビューをしたことがあります。
その時もいろいろと興味深く感じたことを覚えています。
以下はその時に伺った話です。

そもそも、JAの共済事業は協同組合活動の一つなので、
「販売する」「営業する」とは言いません。
「普及活動」「推進活動」と言うのだそうです。

JA共済の推進活動の担い手はJAの職員です。
1994年度からライフアドバイザー(LA)制度を導入し、
今では全国に2万人以上のLAがいます。
LAによる生命・建物共済の推進実績は全体の7割に達しています。

ただ、LAは共済推進に特化した人材ではなく、
数年で異動することも多いようです。
生保の営業職員のイメージでとらえてはいけません。

おそらく共済連は共済に特化した人材を増やしたいはずですが、
なかなか難しいのでしょう。

2007年から組合員・利用者の満足度向上を目指して立ち上げた
「3Q訪問プロジェクト(全戸訪問活動)」も、
大手生保の全件訪問活動に表面的には似ていますが、
実際はかなり異なるようです。

大手生保では自社の営業職員に号令をかけ、
給与体系も顧客を訪問すればポイントが付くように見直し、
短期間で大半の契約者を訪問しました。

しかし、JA共済の場合、組合員・加入者を訪問するのはJAの職員です。
訪問活動の進捗率は、JAによりかなりばらつきがあると聞きます。
むしろ共済連とJAの連携を強め、共済事業の存在感を高めることが
訪問活動の目的の一つなのかもしれません。

※七五三はわが家ではすっかり過去の話になってしまいました。

 

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入院期間の短期化と医療保険

直近の「生命保険経営」(第77巻第6号)に
「入院期間の短期化と医療保険」という論文が掲載されています。
第一生命経済研究所の丹下博史さんによるものです。
知っているようで知らなかった話がたくさん出ていて、大変勉強になります。

医療技術の進歩や医療政策上の後押しにより、
平均在院日数の減少が進んできたのはよく知られた話です。

ただ、「患者調査」「病院報告」といった代表的な統計には
転院や再入院が考慮されていないため、実際の平均在院日数は
統計上の数値よりも10~15%長いと考えられるそうです。
なるほど。

米国の6.5日、英国の7.0日、ドイツの10.2日、フランスの13.4日
(いずれも2005年のOECDデータ)に比べれば、
日本の平均在院日数は35.7日、一般病床だけでも19.8日と長く、
まだまだ減少の可能性があるとのこと。

丹下さんは、「そもそも短期入院であれば貯蓄でも対応可能」
「長期的視点で考えると、入院期間に応じて入院給付金を支払う
医療保険はその意味がますます問われることになる」
と述べていますが、私もその通りだと思います。

それからもう一つ。
医療保険に関するデータベースを作れないものでしょうか。
かつては生保協会で集めていた時期もあったようなのですが…
厚生労働省にも医療データがたくさんありそうです。

生命保険経営学会のHPへ
・残念ながら論文は掲載後2年たたないと閲覧できません。
・「生命保険経営」は生命保険経営学会の機関誌なので、
 年会費(3000円)を払えば購読できます。

※写真は横浜・みなとみらい地区のマンション群です。
 ようやく人が住む町になってきた感じですね。

 

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