ソウルで開かれたG20首脳会議でバーゼルⅢが承認されたのを受けて、
金融安定理事会(FSB)はシステム上重要な金融機関(SIFIs)に対する
追加的な規制の提言と作業スケジュールを公表しました。
提言は、SIFIsのなかでもグローバルにシステム上重要である金融機関
(G-SIFIs)にバーゼルⅢよりも高い損失吸収力を求めるというものです。
今後はG-SIFIsの基準と具体的な規制内容が議論されることになります。
G-SIFIsに保険会社が含まれることになるかどうかはわかりません。
ただ、FSBにはIAIS(保険監督者国際機構)も参加していますし、
保険会社は無縁と考えるべきではないでしょう。
頭の体操として、日本の保険会社の経営危機が金融システムに
どのような影響を与えうるか考えてみました。
まず、保険会社は社会のセーフティネットの役割を果たしているので、
大規模な破綻は、直接的な金融システムへの影響はともかく、
個人や企業の活動を委縮させることで、悪影響を与えます。
次に、巨大機関投資家としての役割があります。
短期資金への依存度が高い銀行に比べれば、
一般に保険会社の流動性リスクは小さいでしょう。
ただ、信用不安時や金利上昇時などには、流動性を確保するため、
国債や株式など金融市場への影響が出るかもしれません。
さらに、日本特有の話として、保険会社と銀行による
資本等の相互持ち合いがあります。
大手再保険会社への集中なども、システミックリスクとして
意識しなければいけないのかもしれません。
あくまで頭の体操ということですが...
※いつもの通り、個人的なコメントということでお願いします。
※週末の横浜は厳戒体制です。
中心部には近づかず、浜通りをサイクリングしました。