“強い”保険会社ランキング

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今回も週刊東洋経済の保険特集について。
10/20のブログで、「中には?と感じる記事もあった」と
「“強い”保険会社のランキング」を名指ししてしまったので、
その理由をコメントしておきます。

なお、特集号全体としての感想は、同じ日のブログで
「興味深い企画がいろいろとあり、面白かった」ですから、
関係者の皆さんは気を悪くしないで下さいね。

例えば生保の総合ランキングをみると、

「基盤力」=保有契約年換算保険料の伸び率
「収益力」=基礎利益の実額
「効率性」=事業費÷保険料等収入
「安定性」=実質純資産額÷一般勘定資産
「健全性」=ソルベンシーマージン比率(SMR)

のそれぞれを良好な順に並べ、1位24点・・・24位1点と点数を振り、
各項目の得点を単純合算して総合ランキングを出しています。

この結果、例えば規模が大きく(収益力は基礎利益の実額!)、
貯蓄性商品の販売が大きく(基盤力、効率性に強く影響します)、
SMRが他社よりも高い会社が高得点を獲得しています
(SMRが1006%あっても8点しかとれません)。

問題点を整理すると、①各項目の指標の選び方に問題がある、
②単純に点数を振っているので、わずかな違いでも点差が開く
(特に「安定性」「健全性」で顕著)、③各項目を単純合算している、
といったところでしょうか。

これをもって“実力”とか“体力”とか言ってしまうのは
私にはかなり抵抗があります
(損保についても基本的には同じです)。

AIGの経営危機で格付けの信頼性が揺らいだとはいえ、
主要な格付け会社の格付けを並べたほうが、
はるかにマシだったのではないでしょうか。

もしそれだけでは不十分というのであれば
(格付けはグループ評価だったりしますので)、
格付け一覧に加え、例えば「株価下落や円高の影響度」
「予定利率の負担度合い」「保有契約のトレンド」といった
経営への影響が大きそうな情報を補足すれば、
より各社の実力や体力が浮き彫りになったでしょう。

このような困った総合ランキングが経済誌等に載るのは
そろそろ勘弁してほしいものです。

※日曜日は娘と渋谷でデート。
 渋谷のロフトは何年ぶりでしょうか?

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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