正確には「平成22年(2010年)3月期第2四半期決算」ですね。
同じ四半期決算でも、日本と米国では開示スタイルが微妙に違います。
日本は第1四半期が4-6月、第2四半期が4-9月、第3四半期が4-12月
と累積報告が主なのに対し、米国は3ヶ月ごとの情報がメインです。
また、同じ第2四半期といっても、日本は7-9月(累積報告は4-9月)、
米国は4-6月です。気をつけないと時々混乱します。
さて、損保の4-9月期決算を見た印象は、厳しいの一言です。
株価下落の影響こそ薄らいだものの、営業面でも運用面でも
明るい指標はほとんど見られませんでした。
例えば正味収入保険料ですが、2008年4月からの料率大幅ダウンの
影響が残る自賠責保険を除いた数値でも、主要損保9社合計で
前期に比べて3%の減収(単体ベース)。これにはちょっと驚きました。
最大種目の自動車保険では、各社が料率引き上げに動いたものの、
1.9%の減収です。
個社別に見ると、企業向け保険のウエートが高い会社ほど
減収率が大きいように思います(富士火災は別の要因がありそうです)。
なお、東京海上の連結ベースの収入保険料が伸びたように見えるのは、
今期から米フィラデルフィア社の収入(862億円)が加わったためです。
利息配当金収入が大きく落ち込んだのも今回の特徴です。
国内株式の配当金収入が急減したのに加え、
「外国証券」「その他の証券」の不振が目立ちます。
言い換えれば、損保の利息配当金収入はこれまで、
キャピタルゲイン的なものでかさ上げされていたということになります。
中間期には開示されていませんが、各社の運用成果をみるには
素直に時価利回りを参考にするのがいいのではないかと思います。
新聞の見出しには、「全社増益」「純利益は黒字に」などとありましたが、
株価回復で一息ついたとはいえ、保険事業の厳しさが浮き彫りとなりました。
※イチョウ並木シリーズ第2弾。やはり大学のキャンパスです。