先週、生保の2015年度第3四半期(4-12月期)決算が
公表されたので、国内系生保の資産構成を中心に
9月末からの動きをざっと確認してみました。
引き続きあまり大きな変化は見られないようですが、
あえて特徴を挙げるとすれば、次の3点でしょうか。
1.「責任準備金対応債券」の減少
国内系生保10社のうち6社で小幅ながら減っています
(9月末対比。取得価額ベース)。
低金利のなかで資産長期化を見送る動きなのでしょう。
2.外貨建資産の増加
ヘッジ状況は非開示なので、ヘッジ外債を増やしたのか、
オープン外債を増やしたのかまではわかりませんが、
10社のうち8社で増えています(こちらは時価ベース)。
ただし、増加ペースは以前よりも緩やかです。
3.代替投資の増加
上半期に続き、「外国株式等」「その他の証券」を
増やしている会社が目立ちます。
中身はわかりませんが、投信・ファンドなどを購入すると
これらの区分に入ります。
他方で国内株式を増やす動きはあまり見られません。
1月以降の金融市場混乱は、国内系生保には総じて
逆風となっています。
まさかのマイナス金利政策で金利水準が一段と下がり、
株価急落、円高進行も、リスクテイクしている会社には
厳しい状況です。
もちろん、これまでの内部留保の蓄積を踏まえると、
財務の健全性を云々するような段階ではなさそうですが、
商品戦略をはじめ、今後のビジネスモデルについては
十分検討する必要がありそうですね。
※横浜アリーナが大規模改修工事を行っていました。