解約返戻金の推移

 

生保の四半期開示を時系列でみると、いくつかの会社で
2013年頃から解約返戻金が高水準で推移していました。
ただ、昨年後半から減少に転じ、ピークは過ぎた模様です。

解約返戻金が多かったのは、オリックス(ハートフォード)、
エヌエヌ(旧アイエヌジー)、三井住友海上プライマリー、
東京海上日動フィナンシャル、マニュライフ、などなど。

この顔ぶれは、かつて銀行チャネルで変額個人年金の
販売上位だった会社ですね。

第二次安倍内閣が発足した2012年末の少し前からの
株価上昇で、2000年代前半に購入し、元本割れしていた
変額年金の時価が元本を上回るまで回復したのでしょう。

最低保証があるのに解約するのは、預金代替として
変額年金を購入していた契約者が、再び元本割れとなる
事態を嫌ったのかもしれませんし、あくまで想像ですが、
銀行に勧められ、他の商品に切り替えたのかもしれません
(変額年金を買うときも銀行に勧められたはずですし…)。

このあたりの現場情報がわかれば、手数料開示などの
議論をするに際し、参考になりそうですね。

それでは、高水準だった変額年金の解約返戻金が、
昨年後半あたりからなぜ落ち着いたのでしょうか。

2万円だった日経平均株価が16000円まで下がったように、
変額年金の時価が再び下落した影響はありそうです。

直近の2016年4-6月期は、その前の期に比べると
株価下落の影響はマイルドだったはずなのですが、
解約が落ち着いているにもかかわらず、変額年金の
資産残高は前の期並みに減っています
(時価下落以外の影響も考えられますが…)。

あるいは、時価が回復したら現金化したいという契約者は
概ね解約してしまい、年金として受け取ろうという層が
残っているという可能性もありますね。

このあたりの契約者行動は、おそらく日本の変額年金の
輸入元である米国とは同じではないように思います。

※築地市場の正門にあった移転案内が撤去されていました。
 環状2号の工事はどうなってしまうのでしょう(写真右)。 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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