生損保のガバナンス報告書

 

先日ブログでみずほフィナンシャルグループの
ガバナンス報告書についてコメントしましたが、
大手保険グループの報告書が徐々に出てきているので、
ざっと比べてみました。

現時点でコーポレートガバナンス・コードを反映した
報告書を公表しているのは、第一生命、MS&AD HD、
SOMPO HD、そして住友生命の4社です。

最後の「住友生命」はあれ?っていう感じですよね。
相互会社形態なのでコードの適用対象外なのですが、
コーポレートガバナンスは会社形態に関わらず
共通のものという認識のもと、任意対応したそうです。

同じく相互会社形態の明治安田生命も7月下旬に
ガバナンス報告書を公表する予定としています。

中身のほうも見てみましょう。

東証の記載要領には、コードの各原則のうち、
実施しないものがある場合には理由を記載すると
なっています。

4社のうち、SOMPOは「全てを実施」とあり、
第一生命は記載なし(おそらく「全てを実施」なのでしょう)。

他方、MS&ADは補充原則4-11③(取締役会の実効性)
について、「今後実施します」とありました。

住友生命も4-1③について「現時点では実施していない」
「結果の概要の開示等について検討を行う」とありました
(住友生命は4-1③についても記述あり)。

ちなみに第一生命は「ホームページにて開示」とあり、
確認すると、自己評価アンケートが公表されていました。
第一生命のサイトへ

第一生命は他の開示項目も「ホームページにて開示」と、
報告書そのものにはあまり記述が見られないのですが、
この自己評価アンケートはなかなか興味深いです。

政策保有株式(原則1-4)についても確認しました。
損保の場合、みずほや三井住友トラストのような、
「原則として保有しません」という記載は見られません。

 「発行体の財務状況、ガバナンス、株価、株式の流動性、
  取引状況等を総合的かつ慎重に判断します」
 「保有する銘柄の投資効率及び信用・市場リスク等を
  適切に管理します」
 【MS&AD】

 「毎年、取締役会において保有を継続する経済合理性が
  あるかどうかの検証を行います」
 「検証に際しては、保険取引やアライアンス強化など
  保有目的に基づく将来性、株価上昇による含み益形成や
  株式としての長期的展望に加え、保険引受および株式の
  リターンとリスクを定量的に評価する指標も活用しています」
 【SOMPO】

と、政策株式の保有を前提にした記載でした。

なお、第一生命と住友生命も「政策保有を行う」ですが、
第一生命が制定したガバナンス基本方針によると、

 「業務提携による関係強化等、純投資以外の
  グループ戦略上重要な目的を併せ持つ株式」

とあり、有価証券報告書の開示内容も踏まえると、
保有株式の多くは純投資という位置付けのようです
(住友生命は不明)。

コードを反映したガバナンス報告書の締め切りは
12月なので、東京海上HDをはじめ、他社の報告書も
しばらくしたら公表されるものと思います。

※成田のソフィア保険事務所を訪問しました。
 駅前広場に面した好立地で、オフィスから新勝寺が見えます。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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