今回のALS患者嘱託殺人はいろいろと考えさせることが多い事件だとは思います。さらに、医師免許の不正取得なんて話も飛び出しました。
ただ、この事件に限らず、捜査関係者から情報がポロっ、ポロっと出てくるのは、何だかすっきりしません。かんぽ生命の入検情報を漏らすのはダメで(絶対ダメだと思いますが)、同じく公務員である捜査関係者がメディアに情報を漏らすのはOKとされているのは、どうしてなのでしょうか。
委任状による出席が大半
さて、国内系生保のうち6社は相互会社で、いずれも7月2日に総代会を開いています。
相互会社には株主が存在せず、株主総会にあたるのが、社員(契約者)のなかから選ばれた総代が構成する総代会です。総代会では剰余金の処分、定款の変更、取締役の選任などを決議します。
6社の議事録や質疑応答の要旨が公表されたので、確認してみました。
まず例年と大きく異なるのは、リアルな主席者の数です。
日本生命 出席198名(うち委任状141名)
住友生命 出席175名(うち委任状121名)
明治安田生命 出席218名(うち委任状213名)
朝日生命 出席148名(うち委任状138名)
富国生命 出席115名(うち委任状86名)
これを見ると、明治安田生命ではリアルな出席者は5名だったということですね。
日本生命の場合、「委任状による出席者のうち、117名については、支社または東京本部(丸の内ビル)等にて、社内衛星放送を通じ総代会の審議等の状況を確認し、質問等もできる環境で参加していた」とのこと。他社にはそのような記述がないので、前向きな対応ととらえるべきなのかもしれません。ただ、ガバナンスという点では、委任状を出した後での質問にどのような意味があるのかとも思ってしまいます。
質問内容はどうか
質疑応答の要旨を見ると、どの会社でも、新型コロナウイルス感染症に関するものが非常に多かったようです。
特に6社はいずれも営業職員組織による対面販売を主力としているので、「今後の顧客対応をどう考えているか」「対面営業が難しいなか、今後の対応の方向性を説明してほしい」といった質問が相次いだ模様です。
他方で、毎回感じるのですが、社員たる契約者の関心事項であろう経営の健全性や、社員還元に関する質問は必ずしも多くはありません(なぜか商品に関する質問が多いです)。どの質問も広い意味では経営に関することなのですが、実際の数字を踏まえた損益・財務に関する質問は少ないですし、上場生保の大株主のような、経営者の姿勢を問うような厳しい質問もほとんど見かけません。
ちなみに、次のような質問や意見はありました。
「わが国では着実に高齢化が進む中で、海外で社員や契約を増やしたり、あるいは利益を得て国内に還元する戦略や取組みは極めて重要と考えます。今後もそのことを重視した経営をお願い致します」【住友生命】
「損益状況の推移について。保険料等収入が減少しているものの、保険金等支払金も減っているため、経常利益が増えていると理解しています。この収益構造に問題点や課題はないのでしょうか」【朝日生命】
詳しくは各社のサイトをご覧ください。
日本生命
住友生命
明治安田生命
朝日生命
富国生命
※海からの風で松が何となく傾いています。