8月7日までに公表された分だけですが、生損保の4-6月期決算で保険関係の数値を確認してみました。
損害率が低下【損保】
国内損保事業の正味収入保険料は、東京海上日動がほぼ横ばい、他の大手損保は小幅減となりました。ただ、減収は火災保険の再保険コスト上昇によるところが大きいようで、過去の料率引き上げ効果もあり、4-6月期に収入が大きく落ち込むということはありませんでした。
数字が大きく動いたのは支払いのほうです。外出自粛等の影響で発生保険金が減り、損害率が大きく改善しました。
各社の自動車保険のE/I損害率はご覧のとおりです(前年対比)。
東京海上日動 56.5% ⇒ 46.2%
三井住友海上 54.7% ⇒ 46.2%
あいおいND 55.9% ⇒ 48.1%
損保ジャパン 63.2% ⇒ 48.1%
欧米のようなロックダウンはなくとも、新型コロナ禍が人々の行動を変え、それが数値に現れたということかと思います。
営業自粛で業績落ち込む【生保】
更改契約がある損保に比べると、生保は営業自粛の影響を強く受けた数字となっています。
例えば営業職員チャネルを主力としている会社の「新契約年換算保険料」「新契約件数」(いずれも個人保険、前年同期比)はご覧のとおりです。
日本生命 ▲59.1% ▲72.1%
住友生命 ▲54.8% ▲54.4%
MY生命 ▲35.8% ▲42.3%
太陽生命 ▲36.8% ▲25.7%
富国生命 ▲45.3% ▲47.4%
代理店を主力にしている会社として、損保系生保と大同生命の数字も見てみましょう(大同生命は営業職員チャネルの規模も大きいですが、とりあえず)。同じく個人保険の新契約年換算保険料と新契約件数の前年同期比です。
あんしん生命 ▲21.5% ▲32.9%
MSA生命 ▲29.2% ▲34.9%
MSP生命 ▲57.7% ▲73.6%
ひまわり生命 ▲23.3% ▲31.5%
大同生命 +26.4% ▲14.3%
MSP生命(三井住友海上プライマリー生命)は銀行窓販専門会社なので傾向が違うのはわかるとして、それ以外の会社は大手よりも落ち込みが小さいように見えます。ただ、2019年4-6月期の数字は経営者保険の提供休止などの影響を受けているので、代理店チャネルのほうが落ち込みが小さいと言っていいものか、まだわかりません。
とりあえず速報ということで。
※石炭記念館に「白蓮夫人」の写真がありました。