標準利率の見直し

 

少し前になりますが、金融庁が1日に改正案を公表し、
5月1日まで意見募集をしています。
金融庁のHPへ

生保の保険料は保険会社がそれぞれ設定できます
(ただし、金融庁の認可が必要です)。
他方、将来の保険金等の支払いに備え、保険会社が
用意しておく「責任準備金」の計算基礎となる利率は
法令で決まっているので、保険会社はこの利率から
かけ離れた保険料を設定することはできません。

今回の見直しは、一時払終身など貯蓄性の高い商品には
平準払いとは異なる利率を適用しようというものです。

「10年国債利回りの3年平均と10年平均のいずれか低い方」
を参照し、年1回だけ見直すという現行の枠組みのままでは、
金利が上昇に転じても利率がなかなか反映しないので、

・超長期国債の流通量が増えた
・ALMの高度化が進んだ

などを背景に、貯蓄性の高い商品の利率決定方式を

「10年国債利回りと20年国債利回りの和半」
「過去3か月平均と過去12か月平均の低いほう」
「年4回判定」

といった仕組みに見直そうというものです。

確かに反映が現行よりも早くなるとはいえ、金利が上がるにつれ、
「安全率係数(=掛目)」が小さくなる点はそのままなので、
例えば10年国債や20年国債の利回りが4%水準だった場合、
一時払終身保険の標準利率は2.65%にとどまります。

しかも、安全率係数の対象レンジが見直されているため、
例えば5%水準では標準利率が2.9%と、さらに差が広がります。
高金利になるとALMが難しくなると考えているのでしょうか?

「10年国債利回りと20年国債利回りの和半」というのも不思議です。
対象は一時払終身保険ですよね。
いくら銀行窓販で高齢者が多いといっても、どうしてなんでしょう。
「超長期国債の流通量が増えた」「ALMの高度化が進んだ」のに。

なお、今回の見直し案について、s_iwkのブログ
s_iwkさんが詳細な解説とコメントを記しているのを見つけました。
4回にわたる大作ですので、勝手ながらご紹介させていただきます
(私も大変参考になりました)。

※写真は阪堺電車です。初めて乗りました。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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