リスク管理態勢のばらつき

 

あけましておめでとうございます。
2013年はどんな年になるでしょうか。楽しみですね。

さて、昨年で金融庁を卒業し、保険会社のリスク管理に
これまで以上に深く関わるようになったわけですが、
改めて感じるのは、日本の保険会社のリスク管理態勢には
ばらつきが非常に大きいということ。

「進んでいる」「遅れている」といった次元ではなく、
枠組みや管理手法が様々であるという話です。

日本の保険会社といえば、横並び意識が強い業種の
典型のように言われます。
確かに、格付アナリスト時代から15年以上、保険業界を
観察してきた経験からも、そのように感じることがあります。

保険商品やチャネルが多様化したとはいえ、
大手生保は営業職員を通じた保障の提供が主軸ですし、
損保は引き続き自動車保険が販売の中心です。
本社の経営組織が相似形だったりもします。

会社を超えた業界人のつながりが強いのも
この業界の特徴だと思います。
変な例ですが、私が金融庁を離れるという情報は
かなり早い段階から業界で共有されていたようです^^

しかし、どういうわけか、リスク管理態勢に関しては
独自の進化を遂げているようです。

金融庁の「ERMヒアリングの結果について」
(昨年9/6に公表)に、次のような記述があります。
金融庁HPへ

・(リスクレポートの)報告内容は各社ごと様々だった

・(統合リスク管理の具体的な管理方法について)
 各社により独自の枠組みを構築していた
 リスク管理ツールや管理方法が多様だった

・リスク量の計測に際しても(中略)ばらつきが大きかった
 リスク統合に関しても(中略)様々だった

・各社のALMの実施状況は(中略)ばらつきが非常に
 大きかった

もちろん、リスク管理態勢が横並びである必要はありません。
ビジネスモデルが異なれば、当然ながらそれに適した
リスク管理態勢も異なるはずです。

ただ、独自に構築してきた枠組みが、本当に自社に合った
枠組みとなっているのかは気になるところです。
大きなお世話かもしれませんが...

※写真は初詣で行った伊勢山皇大神宮です。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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