娘と一緒に、かっぱ橋道具街に行きました。
お目当ては「食品サンプル」です。
かっぱ橋道具街には食品サンプル店がいくつかあり、
どこのお店にも本物そっくり、いや、本物以上に
美味しそうな「料理」が並んでいました。
もっとも、中学生が気軽に買えるようなものではありません。
牛丼や鰻丼は5000円程度、パスタは8000円程度、
にぎり寿司がセットで1万円といったところです。
写真のサトウサンプルで、図らずも社長から
サンプル業界の現状についてお話を伺うことができました。
時々テレビで芸能人がサンプル作り体験をしていますよね。
お湯の中に色のついたロウを流し、エビのてんぷらや
レタスなどを作るのが定番でしょうか。
実際の食品サンプルは今やロウ細工ではなく、
塩化ビニールなどプラスチック製なのだそうです。
本物の食品サンプルは熟練職人による手作りなので、
値段がそこそこするのは当然かもしれません。
ロウ製品の寿命は5年程度なのに対し、
よくできたプラスチック製だと20年以上持つとか。
製品の寿命が4倍に延びても、価格を4倍には
できなかったのでしょう。結果的に売り上げが落ちてしまい、
そこで、プロ向けの商売だけではなく、キーホルダーなど
個人のギフト用に力を入れるようになったのだそうです。
さらに最近はこの業界も安い中国製品に押され、
非常に厳しいようです。
現在のところ、日本で職人が作るサンプルとは違い、
中国製サンプルは半年で劣化してしまうとか。
しかし、品質よりも安さを重視する顧客も多いのでしょうね。
考えてみれば、いわゆる高級店ではサンプルを使いません。
サンプルを使う店は、品質よりも目先の安さに向かいがち
というのも何となく理解できる話です。
とはいえ、今や日本の工芸品とも言うべき食品サンプル。
どこかに活路はあるように思えるのですが。