キャピタスコンサルティングの保険チーム3人で執筆した『経済価値ベースの保険ERMの本質』の第2版が出ました。
初版の発行からまだ4年弱しかたっていませんが、経済価値ベースのソルベンシー規制導入を提言した金融庁有識者会議報告書の発表(2020年)を受け、新たな記述を加えることができました。ご覧いただければ幸いです。
さて、少し前の日経MJ(日経流通新聞)に「選ばない消費者」の話が出ていて、思わず目を留めました(5月12日付)。
今の若い世代は欲しい情報をネットで検索して収集するのではなく、アルゴリズムによって自らの嗜好に合った情報がSNSで提供されるので、検索しなくても自然と集まった情報のなかから欲しいものを購入する「選ばない消費者」となりつつあるそうです。
昔はテレビなどのマスメディアから受動的に情報を得ていた消費者が、ネットの出現により「比べて購入」が一般的になりました。保険の購入もそうですよね。かつては職場や家庭を訪れた保険募集人から話を聞き、おすすめプランを購入するだけだったものが、ネットの比較サイトなどで事前に調べてから保険募集人の話を聞く(あるいは事後的に調べる)のが当たり前となりました。
ところが時代が進み、私たちは日々スマホで膨大な情報に接するようになり、欲しい情報を探し当てるのが難しくなっています。どこかに情報はあるのだけど、見つけるにはそれなりに労力がかかりますし、疲れます。
そのようななかで、SNSはAIを使って利用者の好みを把握し、好みに合った情報を優先的に示しますので、利用者はいちいち検索しなくても欲しい情報が手に入る、すなわち、「選ばない消費者」が登場するというわけです。
偏った情報しか目に触れることがないというのは私にはかなり抵抗がありますが、SNSネイティブの世代にはむしろ心地よく感じるのかもしれません。
※近所のお店でマリトッツォを発見。思わず衝動買いしてしまいました。