日経新聞の朝刊に「やさしい経済学」というコラムがあるのをご存じでしょうか(経済教室と同じ面です)。経済に関するテーマを研究者が何回かに分けてわかりやすく解説するというもので、執筆者によっては「やさしくない経済学」だったりもします(個人の感想です^^)。
8月17日からは東京都立大学の松田千恵子さんによる「新時代の企業統治」が始まりました。松田先生はかつて格付会社ムーディーズでアナリストだったかたで、2011年から現在の大学(当時は首都大学東京)を拠点に活躍されています。
1回あたり800字程度しかないコラムでコーポレートガバナンスの解説を行うのは、自分だったら途方に暮れてしまいそうですが、各回とも充実した内容で、かつ、大変わかりやすくて参考になります。
19日のコラム(3回目)では近年の日本のガバナンス改革について触れ、
守りのガバナンス:経営者の「暴走」を止める
攻めのガバナンス:経営者の「逃走」を止める
とありました。「逃走」という表現はこれまで思いつかなかったので、社外取締役の経験も豊富な松田先生ならではの表現なのかもしれません。そういえば松田先生は以前、別のコラムで「社外取締役」という言葉のおかしさについても書いていました。
「それ(=社外取締役という言葉)が意味を持つのは、終身雇用の下で『ウチの論理』が通用する身内を大事にしてきた企業だけだ」(2018年12月25日の日経夕刊コラム「十字路」より引用)
今回の連載はこれまでのところ、(1)経営者の暴走を防ぐ仕組み、(2)従業員を律する内部統制、(3)「攻め」の経営で成長促す、(4)未分化だった「監督」と「執行」、と続いてきました。おそらく全10回ですので、後半のコラムも楽しみにしたいと思います。
※今シーズンも各種かき氷を美味しくいただきました♪