都道府県民共済グループの大阪府民共済が、
退任した前理事長への退任慰労金2.5億円を、
総代会の明確な議決なしに支払った問題について。
以前、週刊東洋経済の企画で4大共済を取材した際に、
「理事長の不正などを未然に防ぐ仕組みは、
少なくとも連合会ベースではかなり整備されている」
(週刊東洋経済2007.11.10から引用)
としたものの、共済のガバナンス構造については
やや弱いと見ていたのですが、今回の件は残念でした。
各県の共済(単位生協)は連合会の下にあるように見えます。
しかし、ガバナンス構造は逆で、単位生協のほうが上です。
連合会の組合員は単位生協なので、連合会が単位生協を
コントロールする構造にはなっていません
(共済事業を通じてのコントロールはあります)。
また、単位生協の組合員は一般の共済加入者です。
共済を利用するために加入した人が大半なので、
単位生協の運営に関心を持つ組合員はほとんどいません。
このようなガバナンス構造の弱点をカバーできる唯一の砦が、
「組合員の相互扶助」という理念です。
ところが、報道から判断するかぎり、前理事長やその周囲の役員は
理念にかなった行動をとったとは言えないでしょう。
金額の問題ではありません。
長年経営に関わってきた役員に対し、周囲が何も言えなくなる。
ガバナンスの問題は頭が痛いです。
※写真はどこだかわかりますか。
ちなみに上記の件とは全く関係ありません
(この件で大阪に向かったわけではありません^^)