生損保のディスクロージャー資料が出そろいつつあります。
いわゆる「○○生命の現状」という冊子です。
「直近5事業年度における主要な業務の状況を示す指標」
で大手生保の当期純剰余(株式会社は当期純利益)
の推移を追うと、4社合計で毎年1000億円前後の変動しかなく、
非常に安定した業界のように見えます
・2007/3 から 2011/3 にかけての当期純剰余の推移
(大手生保4社合計。第一生命の契約者配当準備金繰入を加味)
7965 → 6690 → 5407 → 6574 → 5773 (億円)
この5年間の生保の経営環境は安定していたでしょうか?
例えば、日経平均株価は17000円から8100円に下がり、
その後11000円に戻った後、直近は9700円でした。
このような株価変動を受けて、4社の保有株式の時価は
▲6.5兆円 → ▲6.5兆円 → +2.5兆円 → ▲2.0兆円
となっています。
株式を保有していれば、株価変動の影響が業績に表れるのは
当然の話です。
それでも当期純剰余(純利益)が安定して推移しているのは、
株価変動の影響がごく一部しか表れていないのと、
各種準備金の取り崩しや売却益の計上などがあったためです。
他方、日本生命を除く3社はEV(エンベディッド・バリュー)を
公表しています。2011/3のEVの前期差は次の通りでした。
第一 ▲3960億円 (当期純利益は▲579億円)
住友 ほぼ横ばい (当期純剰余は+17億円)
明安 ▲1710億円 (同▲37億円)
EVは前提により結果が大きく振れる(=だから使えない)
という声をしばしば耳にしますし、確かに注意が必要です。
しかし、結果が大きく動かない当期純剰余(純利益)が
もっと使えない指標であることは、明らかではないでしょうか。
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