金融庁検査が何かと話題になっていますが、
1週間前の週刊金融財政事情(2013.10.21)に
森信親検査局長のインタビュー記事が載っていました。
タイトルは「金融検査の見直しの真意」。
もちろん「金融モニタリング基本方針」に関する内容です。
森局長は金融検査見直しの方向性として、
1.個別金融機関の検査間隔ごとの定点観測から、
常時対話をして金融機関の動向を「リアルタイム」で
把握する方法へ
2.ミニマムスタンダードを満たしているかの検証に加え、
「ベストプラクティス」を業界にフィードバックするなど、
金融業全体のレベルアップという観点からのモニタリング
3.重要なテーマについて「業界横断」的に実態を分析・把握し、
改善策を検討するという観点からのモニタリング
の3つを挙げています。
「リアルタイム」「ベストプラクティス」「業界横断」が
キーワードなのだそうです。
暴力団融資の問題で金融検査も批判にさらされていますが、
改革を進め、オン・オフ一体のモニタリングに期待したいです。
もっとも、きんざいの記事でのなかで、保険会社に関する部分は
限られていました(媒体が「きんざい」だからかもしれません)。
「保険会社のモニタリングも変わるのか」という問いに対し、
「業界共通の課題について横断的にみていくことになる」
とあるのですが、課題として挙げられた内容は、
生保が「少子高齢化に伴う市場の縮小にどう対応」
損保が「海外展開に伴う課題」という例示。
公表されている水平的レビューの検証項目には
2ページにわたり検証候補が挙げられているとはいえ、
もう少し具体的なコメントがあってもよさそうなものですね。
「保険でも同じようなモニタリングチームを編成していきたい」
すなわち、個社別業態別のモニタリングチームに加え、
「リスクカテゴリー別の専門チームを編成」という記述もありました。
銀行と保険会社では事業・リスク特性が違うので、
例えば同じ「市場リスク」でも、銀行の専門チームが
同じ目線で保険会社を見ることはできないと思います。
ですから、同じようなモニタリングチームを作るとなると、
業態別チームに加え、保険独自の専門チームが必要ですね。
※京都では紅葉が始まっていました。