「コーポレート・ガバナンス 経営者の交代と報酬はどうあるべきか」
(日本経済新聞出版社)を読みました。
本書は制度的変化の解説や先進事例の紹介ではなく、
ある程度大規模なデータセットを用いて
日本企業のガバナンスの実態を分析した労作です。
筆者は、
「コーポレート・ガバナンスの基本は、経営者の交代と金銭的なインセンティブ」
ということを繰り返し指摘しています。
優秀な経営者には高い待遇を提供し、悪い経営者には退出を促す
ということです。
しかし、本書によると、日本の経営者は株価を最大化するような
インセンティブをほとんど持っていないことが明らかにされています。
しかも、業績が悪化しても交代しない社長のほうが多いようです。
イメージ通りではありますが、データ分析なので説得力があります。
「悪い人が悪いことをするのを防ぐことは容易ではないが、
いい人が、善意で悪いことをするのを防ぐことも容易ではない」
という記述もありました。
私には後者のほうがより難しいように思えますが、どうでしょうか。
※久しぶりに江の島へ。今回は娘とのデートでした♪