若いときに買うのが有利?

保険毎日新聞の海外ニュースで、
「生命保険 若いときに買うのが有利」
という記事がありました。カナダの話です。

日本でもしばしば、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
というセールストークを耳にします。

本当にそうなのか考えてみましょう。

1.若いときに入ったほうが保険料が安い

確かに同じ終身保険でも、25歳で加入した場合のほうが、
35歳で加入した場合よりも、毎月支払う保険料は安いですね。

しかし、当然のことながら、毎月の保険料を単純に比べても
意味がありません。
前者は25歳から保険料を払い続けるのに対し、
後者で支払いが始まるのは35歳からです。

どちらを選ぶかは、25歳から34歳までの保障が
必要かどうかという判断なのでしょう。

2.年をとると保険に入れない可能性が高まる

これはその通りだと思います。

ただ、健康状態が悪化し、保険に入れなくなるリスクが
高まるペースは年代によってかなり異なります。

手元に統計はありませんが、40代以降にもなると、
死亡率や病気の発生率は年々高くなるようです。
でも、35歳くらいまではそれほどでもありません。

もちろん、若くても健康状態が悪化することはあるので、
その可能性をどう受け止めるかによりますね。

3.保険には強制貯蓄効果がある

解約返戻金が貯まっていくタイプの保険なら、
保障を得つつ、自然にお金も貯まっていくことが期待できます。

とはいえ、貯蓄性のある商品の保険料は結構高いですし、
何より予定利率1%台の商品で運用先を固定してしまうのが
得策かどうか。

金利が上昇し、他の商品に乗り換えたくなっても、
解約したら保障がなくなってしまいます。

このようにメリットと言われる点を検証してみると、
若いときにも保障がほしいと考える人は別として、
「生命保険は若いときに入ったほうが得」
とまでは言い切れないように私には思えます。

※意見には個人差があります。念のため。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

親離れ・子離れ

 

「親離れ・子離れに関する意識調査」という
(私にとって)気になるアンケート結果を見つけました。
アメリカンホーム保険のHPへ

回答者が「子どもの頃に親と外出するのが最も嫌だった年頃」を聞くと、
母親は「12歳~15歳(50.0%)」、父親はそれよりも少し遅い
「16歳以上(48.6%)」と答えた人がそれぞれ最多となったそうです。

これに対し、子どもが喜んで親と外出するのは「9歳~11歳まで(41.4%)」
と思う親が最も多かったとのこと。

確かに私の周囲でも、女の子は小学校の高学年になると、
身近な異性である父親を嫌うという話をしばしば耳にします。

私の場合、11歳の娘と二人でスキー旅行に行くなど、
とりあえずまだ娘に嫌われていないようです
(だんだん反抗的になってきましたが)。

ただ、担任の男の先生(30代半ば)に対しては
えらく反発しているようで、代わりに嫌われてくれている感じ。
何となく同情してしまいます^^

息子(16歳)のほうは、さすがに喜んで親と外出はしません。
中学生になり、部活が忙しくなったあたりからでしょうか。
誘っても一緒にくるのは5回に1回くらいです。
まあ、自分もそうだったような気がしますね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

バーゼルⅢ

 

バーゼルⅢについて話を聞く機会がありました。

昨年11月のソウルG20サミットによる大筋合意と、
12月の自己資本規制案などの公表などで、
バーゼルⅢの全貌が明らかになりつつあります。

残る注目点はSIFIs(システム上重要な金融機関)
に関する議論あたりでしょうか。

改めて12月の規制案をみると、段階的導入とはいえ、
最終的に銀行が必要な資本水準は大幅に高まります。

しかも、金融危機の反省から「損失吸収力」が注目され、
Common Equity、つまり普通株と利益剰余金重視の
制度となります。
最終的に求められるCommon Equity比率は4.5%で、
これに何種類かの資本バッファーが加わる見込みです。

さらに、総資産と自己資本を比べただけの
「レバレッジ比率」や、新たな流動性基準などもあります。

こうなってくると、銀行は普通株による調達に走る、
毎期の利益をためこむ、リスクアセットを圧縮する、
といった行動に向かわざるをえないでしょう
(あくまで一般論ですが)。

気になるのは、厳しい規制でリターンを上げにくくなった
銀行の普通株を誰が買うのか、という点です。

投資家は規制に協力するために株式を買うのではなく、
投資先の価値が高まると期待して購入するはずですよね。
銀行はどのようなビジネスモデルで株主の期待に
応えるのでしょうか。

また、これだけ資本規制・流動性規制が強化されると
「3本柱アプローチ」はどうなってしまったのかという
疑問も出てきますよね(形は残っているとしても)。

特に第2の柱については、機能しなかったと総括するのは
ちょっと早すぎるのではないでしょうか。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

トマムリゾート

 

連休に娘と北海道のトマムに行ってきました。
2年ぶりのスキー旅行です。

アルファリゾート・トマムは、北海道を代表するリゾート。
山のなかに何棟かのタワーがそびえ立つ姿は
いかにもバブル期に作られた施設という雰囲気です。

バブル崩壊の影響で運営会社が相次いで破綻し、
今はあの星野リゾートが再建に取り組んでいます。

さすがに施設はやや古くなってきていますし、
レストランもバイキングが中心で、食材を見ると
予算の制約が結構厳しいように感じました。

とはいえ、満足度は高かったです。
また行きたいと思わせるものがあります。

駅からのアクセス、チェックインまでの流れ、
スキーレンタルなど、いずれも非常にスムーズでしたし、
何かお願いしても、すぐに対応してくれました。

レストランのチョコフォンデュ(写真右)も楽しいですよね。
チョコとマシュマロ、パイナップルだけなのですが、
子どもだけではなく、私も楽しんでしまいました^^

スタッフが親切なだけでなく、楽しそうに働いているのも
印象的でした。

星野リゾートでは顧客満足度を高めるため、
現場に自ら考えることを求めるのが特徴のようですが、
そのような経営方針が浸透しつつあるのかもしれません。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

保険に入るということは

 

前回はリース契約について書きましたが、
保険契約でも同じようなことが言えそうです。

生命保険など長期の保険契約を結ぶということは、
長期間の保障と引き換えに、保険会社に何十年間も
お金(保険料)を支払い続ける契約を結ぶということです。

例えば、保険料が月2万円で終身払いの保険に入ると、
仮に50年間だとして、総支払額は合計1200万円にもなります。
金利で割り引いて考えたほうがいいでしょうから、
実質的には700万円程度といったところでしょうか。
いずれにせよ、かなり大きな金額です。

保障を得た代償として、現在の資産と将来の収入のうち
700万円もの金額が固定されてしまうわけですから、
保険料の総支払額と受け取る保険金の損得だけではなく、
保険料の分だけ家計の自由度が下がっていることも
理解しておくべきでしょう。

ただ、保険契約が先のリース契約と決定的に違うのは、
契約者が一方的に解約できる点です。

問題となったリース契約では、自販機を手放すだけではなく、
多額の違約金を支払わなければリース債務が消えないようです。
しかし、保険契約を解約しても保障がなくなるだけで、
多額の違約金支払いなどはありません
(契約初期には一定の解約控除が発生します)。

半面、保険会社からすると、いつ解約されるかわからない
契約をたくさん抱えているということになりますね。
契約者が常に合理的に行動するとは限らないため、
実のところ、きちんと管理するのは結構大変な話です。

※左は姨捨の棚田、右は稲荷山の町並みです。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

ハッピーベンダー事業

 

テレビで自動販売機(飲料)の契約トラブルの話をみました。

詳しくはこちら(毎日放送HPへ)

通常の自販機ビジネスは、飲料メーカーが設置場所を借り、
設置先は場所代として手数料を受け取るというものです。

一方、A社が提供する「ハッピーベンダー事業」では、
個人・法人が自販機のオーナー(リース契約を結ぶ)となり、
A社の支援のもとで、自販機事業の運営をします。

番組によると、このA社は、

「ほとんど赤字にならない」
「高い収益をあげることができるサイドビジネス」

として、事業主を募集していたようです。

ところが、実際には自販機の大半が赤字となり、
事業主にはリース料の支払い負担だけが残る事態が相次ぎ、
トラブルになっているとのこと。

このハッピーベンダー事業のポイントは
「リース契約」だと思います。

契約した事業主はおそらく、月々の収入と支払いを比べて、
「リスクが少ない」「魅力的なサイドビジネス」と判断したのでしょう。

しかし、リース契約の本質は、物を介した「借り入れ」です。
100万円の自販機のリース契約を結ぶということは、
100万円の借金をして自販機を買ったのと大差ありません。
ここが理解されていたのかどうか。

たぶん、「借金して自販機のオーナーになりませんか」
と言われていたら、契約しなかった人も多かったのではないでしょうか。

A社の行為が法的にどうなのかはわかりません。
ただ、改めて金融の基本的な知識の重要さを感じました。

学校でパソコンの使い方を教えるくらいなら、
基本的な金融教育をもっとやったほうが有益でしょうね。

※写真は年末に訪れた「姨捨駅」です。
 まるで展望台のような駅でした。おすすめです。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

比較サイトで競争自演

 

3日の朝日新聞1面に「バイク王、価格競争装う」
という記事が出ていました。

比較サイト上の業者が、実はすべて同一グループの経営
(各業者が同一グループとわからないようになっていた)
というバイクの比較サイトがあったそうです。すごい話ですね。
すでに閉鎖されているため、残念ながら?確認はできません。

保険をはじめ、様々な商品の購入を検討する際に、
比較サイトを利用するかたは多いのではないでしょうか。
最大手カカクコムのグループサイト月間利用者数
(ユニークユーザー数)は6703万人に上るとか。

しかし、比較サイトのビジネスモデルについて、
ご存じのかたはあまり多くないかもしれません。

私もそれほど詳しいわけではありませんが、
一般に、比較サイトの収入源は、販売実績や
顧客誘導実績に応じた手数料等の収入、
あるいは広告料、広告商品の販売収入などのようです。

比較サイトには「中立な第3者」というイメージがあります。
実のところ、その保証はありません。
例えば、手数料率の高い会社の商品に顧客を誘導することも
できてしまうような危うさがあります。
もちろん、そのようなサイトはほとんどないと思いたいです。

なお、保険の場合、募集代理店とは違い、
比較サイト自身には保険業法の規制は及びません。
保険の販売を行っているわけではないからです。

上場企業だからといって信頼できるとは限りませんが
(今回のアイケイ社は東証2部上場企業です)、
少なくとも実態が不透明な比較サイトは避けるべきでしょう。

そのうえで、比較サイトの情報を鵜呑みにせず、
最後は自分で判断するという姿勢が大事なように思います。
ネット時代の消費者も大変ですね。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

今年もよろしくお願いします

 

あけましておめでとうございます。新年ですね!

いつもお付き合いいただき、ありがとうございます。
自分のトレーニングのために書いているようなものですが、
今後もできるだけ今のペースで続けていくつもりです。
よろしくお願いいたします。

さてさて、今回も冬休みモードです。
私は自転車だけではなく、歩くのも好きで、
先日は渋谷から自由が丘まで歩いてみました。
前回の踏切の写真はその時に撮ったものです。

中目黒から少し寄り道して目黒区役所へ(写真左)。
区役所らしくないこの建物は、知る人ぞ知る、
かつての千代田生命本社ビルです。
11年ぶりの再訪でした。

亀屋万年堂の総本店も発見しました(写真右)。
王貞治さんの「ナボナはお菓子のホームラン王です!」
というテレビCMをご存じのかた。年齢がバレてしまいますね^^

HPによると「東京都と神奈川県に直営店が約65店舗」とのこと。
なぜ「約65店舗」と「約」がついているのかは不明です。

渋谷から自由が丘まで、電車ならわずか15分です。
歩いてみたら、1時間45分もかかりました。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

東横線の踏切

null null

リスクをコントロールするには、リスクの「軽減」、
「移転(=典型的な手段が保険ですね)」のほか、
「回避」、つまりリスクを取らないという方法があります。

例えば「踏切事故を減らすため、踏切をなくしてしまう」
というのがリスク回避の発想です。
現実的ではないケースが多いとは思いますが、
意外に忘れられている発想かもしれません。

ちなみに私は通勤に東横線(渋谷から大倉山まで)
を使っています。あるとき、ふと思いついて
踏切の数を数えてみたら、9か所ありました。

田園都市線の踏切ゼロには及びませんが、
かつてに比べて、だいぶ減ったなあという印象です。

興味深いことに、9か所のうち8か所は
自由が丘駅をはさんだ区間に集中していました。
他の区間で高架化や地下化が進んだ結果、
諸般の事情でこの区間だけが残ってしまったのでしょう。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。

生保運用 国内株離れ

null null

1週間前の記事で恐縮です。12/18(土)の日経に、
「生保運用 国内株離れ」「5年で半減、国債シフト」
という記事が載っていました。

来年度からの資本規制強化を前に、生保各社が
運用資産内容を見直しているというのですが、

「国内株式の残高は規制強化の議論が始まる直前
 (2005年度末)に比べ、ほぼ半減した」

とあります。読者は、
「そうか、生保はそんなに株式を売却したのか!」
と普通は思うでしょう
(ちなみに「売却した」とは書いてありません)。

ざっと調べてみたところ、事実は次の通りでした。

大手9社の国内株式残高(時価ベース)は確かに半減です。
 2006/3末:26.8兆円 → 2010/9末:13.8兆円

ところが、簿価ベースではどうか。
 2006/3末:13.1兆円 → 2010/9末:12.0兆円
 (この間の株式等評価損の計上額は合計1.4兆円)

つまり、「5年で半減」の中身は圧倒的に時価下落によるもので、
売却はあまり進まなかったことになりますね
(ただし、この上半期は第一と明治安田の売却が目立ちました)。

なお、この記事には、

「一方で国債など公社債での運用比重が高まっており、
 低金利下で運用益を原資とする契約者配当の維持が
 難しさを増している」

「(債券シフトで)逆ざやを保険会社が穴埋めするリスクも高まりやすい」

といった記述もあり、このあたりも非常に疑問です。
株式から公社債にシフトすると、どうして配当維持が難しくなったり、
逆ざやを穴埋めするリスクが高まったりするのでしょうか。
過去20年間とは違い、株のほうが安全ということなのでしょうか。

記事にいちいち目くじらを立てても仕方がないとは思いつつ、
つい反応してしまいました。

※毎度のことですが、個人的なコメントということでお願いします。

※写真は横浜港シンボルタワーです。
 横浜は港なんだなあと実感できる場所でした。

 

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さい。