損害保険労働組合連合会(損保労連)の機関誌「GENKI(げんき)」には、
労連が開催したセミナーの講演録が載っています。
80号には、日本損害保険協会の竹井直樹さん(業務企画部長)、
金融庁監督局の長谷川靖保険課長の講演録などがありました。
以下では、私の目に留まったところをご紹介しましょう。
竹井さんの講演(3/18)は「保険自由化10年と損害保険業界」。
冒頭に損保協会の紹介があり、250名の職員のうち、
95%以上がプロパー職員ということ。
ロビー活動よりも、苦情・相談対応や業界インフラ関連業務の
ウエートが多いそうです。
竹井さんは保険自由化がもたらしたものとして、
・消費者や保険契約者の利便性の向上
・商品の複雑化
・消費者視点の欠如
を指摘したうえで、
「殺伐とした消耗戦を回避するためにも、新たな業界秩序の構築が必要」
と話し、具体策(標準約款のオーソライズと公表)を示しています。
私もよく考えてみたいと思います。
金融庁の長谷川さんは「保険監督行政の現状と課題」。
4/1の開催です。
・連結ベース(またはグループベース)で監督していくことの重要性を
AIGの件で感じている
・大和生命から引き出せる教訓は、「ビジネスモデルの持続可能性」
「SMRの見直しを」
・ストレステストを含めた統合的なリスク管理が非常に大事
などが財務に関する課題が話の中心だったようですが、
コンプライアンスに関して、
「若干懸念しているのは、(中略)何か保険金の支払い額は
少ないほうがいいとする評価システム・体制がありはしないか」
「損害率に対して目標値を設定している会社がありはしないか」
というコメントもありました。
※写真は伊東温泉です。