業界紙に登場

 

「保険毎日新聞」「週刊インシュアランス」という
2つの保険業界紙に相次いで登場しました。
少し長めにご紹介します。

保険毎日新聞(4月28日付)はインタビュー記事で、
金融庁が公表した「経済価値ベースの評価・監督手法
の検討に関するフィールドテストの結果について」への
感想や注目点などについて話しました。
保険毎日新聞のサイトへ

例えば次のようなコメントが載っています。

「今回の結果概要を読んでみて、『情報量が少ない』 というのが私の第一印象だった。(中略)前回までは金融庁独自の手法を使っていたが、今回は基本的にIAISの手法なので、計算方法の詳細な説明は不要という判断が考えられるほか、3回目のテストであり、対応状況や技術的な課題の把握よりも、規制導入に伴う定量的な影響をつかむことに力点が置かれたのかもしれない」

「情報量が少ないとはいえ、2016年3月末における経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)と分母のリスク量(所要資本)の内訳、分子の自己資本(適格資本)の内訳と変動要因が、保険会社全体の数値として示されている」

「損保会社、生保会社の16年3月末のESRはそれぞれ194%と104%だった。この数値は、損保会社は適格資本が所要資本の約2倍、生保会社は経済価値ベースでみると資本とリスクがほぼ同じ水準であることを表している」

「もちろん、あくまで16年3月末の経済前提において、IAISや金融庁の示した評価手法に基づいて出た結果なので、数字が独り歩きするのはよくないと思うが、現在のようにイールドカーブが低位かつフラット化した状況下では、生保会社の健全性には全体として余裕がある状態ではないとわかる。このところ、ソルベンシーマージン比率が高いにもかかわらず、多くの保険会社が劣後債務などの資本調達を行っているのも理解できよう」

「経済価値ベースでのソルベンシー規制導入に向けたフィールドテストはこれで3回実施された。しかも大手だけでなく全社ベースでの取り組みだ。ここまでコストをかけ(業界負担を含む)、慎重に準備を進めてきた政策を、常識的に考えて、もはや導入しないという選択肢はないだろう。そろそろスケジュールを提示し、具体的に導入を進める段階にきているのではないか」

もう一つの「週刊インシュアランス」(5月4日 生保版)は
「保険に対する理解の低さ」という題で寄稿しました。
週刊インシュアランスのサイトへ

多少要約していますが、次のとおりです。

「自民党小委員会が発表した『こども保険』の資料に、『年金も、支給開始前にお亡くなりになると、給付は受けられない。また、医療や介護も、健康だと給付は受けられない。あくまで保険なので、完全に給付と負担が一致するわけではない』とあり、これを読んで、保険への理解が低いと感じた」

「保険は個々の加入者が必ず給付を受けるというものではないが、結果的に給付がなかった加入者が損をしたわけではなく、加入期間中はリスクが発現したら給付を受けられるというメリットを享受していた。このような理解が欠けていると、単純に『掛け捨ては損』という発想になり、『年金も』『医療や介護も』という説明をしなければならなくなるのだろう」

「長生きリスクに対する保険についても、『平均寿命で死ぬと契約者が損する保険』『保険というよりはサバイバル・ゲーム』という異論が出た。一般に老後の備えとしては『支払った保険料を取り戻せなければ損』という考えが支配的なのだろう」

「しかし、長生きリスクに対して貯蓄だけで備えるとなると、自分が何歳まで生きるかわからないので、多め多めにお金を貯めておく必要があり、多額の貯金を残して亡くなる結果となってしまう。そう考えると、いわば掛け捨ての保険で想定外に長生きするリスクに備えようという発想は合理的だ」

「『掛け捨ては損』『払い込んだ保険料よりも給付額が少ないと損』という考えが根強いのは、想像するに、生保が安定的な長期資金の担い手として、個人の資金を企業部門に供給する役割を期待されていた時代(当時は商品もほぼ横並びだった)の名残なのかもしれない」

ということで、今回は両編集部のご厚意もあり、
掲載記事のご紹介としました。
皆さま、よい連休をお過ごしください。

※パシフィコ横浜の下見(?)に行きました。
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※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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