4/10(月)の「【緊急開催】 InsurTech Meetup」
というイベントに出席したところ、日本の現状は
「まだスタートラインにも立っていない」という、
かなりお寒い状況にあるとのことでした。
イベントは、弁護士の増島雅和さんの講演と、
原健一郎さん(DCM Ventures Investment)
佐俣アンリさん(ANRI GeneralPartner)、そして
増島さんによるパネルディスカッションがあり、
最後にネットワーキング(懇親会)というもの。
増島さんの講演も、パネルディスカッションも
非常に興味深い内容でした。
例えば増島さんによると、しばしば耳にする
次のような話は「間違った理解」だそうです。
・保険の規制は厳しく、従前の業界慣行を
踏まえると、日本には海外のInsurTechの
ビジネスモデルは入ってこれない。
⇒ 規制や業界慣行はInsurTechの流れを
止めることができない。
・日本企業もテレマティクス保険やウエアラブル
端末を用いた医療保険の開発に取り組んで
いるからInsurTechに遅れていない。
⇒ InsurTechを進めるにはオープンイノベー
ションが不可欠。
・海外のInsurTechサービスも大した規模ではなく
InsurTechはニッチサービスに過ぎない。
⇒ 現在のInsurTechは、第四次産業革命による
保険の革新に突入する準備フェーズ。
資料には「なぜ間違っているのか」という説明も
ありますので、こちらのサイトをご覧ください
(ご本人に確認済です)。
特に2つめの指摘は、目からウロコというか、
私見ですが、日本でInsurTechが遅れている
という最大の理由なのかもしれません。
増島さんは資料のなかで、
・ディスラプティブ(破壊的)イノベーションは
狙ってできるものではなく、試行錯誤の中から
しか生まれない
・イノベーションの成功確率を高めるには、
最小コストでうまくいかない例を可能な限り
多く試すこと
と述べているのですが、他方で日本企業には
「失敗を許さない文化」「大きな経営判断ミスより
粒々の損失を責められる」などが目立ちます。
だからこそスタートアップとの協業ということかと
思いますが、せっかく協業しても、この文化の
違いをちゃんと理解したうえで進めていかないと、
イノベーションは生まれないのでしょう。
InsurTechというと、AIやビッグデータの活用など
テクノロジーの進化に注目が集まっています。
でも、本質はそこではないのですね。
※左は中目黒駅のホームから撮った写真。
右は浜離宮の菜の花です。