「生命保険経営」に、これまで日本の大手生保が
海外展開になぜ消極的だったのかという論文を出したら、
明治安田生命、住友生命と大型買収の発表が相次ぎました。
ここ数年の主な海外M&Aは次の通りです。
・東京海上による米デルファイ買収(2011年12月発表)
・損保ジャパンによる英キャノピアス買収(2013年12月発表)
・第一生命による米プロテクティブ買収(2014年6月発表)
・東京海上による米HCC買収(2015年6月発表)
・明治安田生命による米スタンコープ買収(同7月発表)
・住友生命による米シメトラ買収(同8月発表)
これらを見ると、近年の日本の保険会社による
海外M&Aにはいくつか共通した特徴があるようです。
まず、米国をはじめ、先進国市場への進出という点が
挙げられます。東南アジアなどの新興国市場とは異なり、
ただちに収益貢献が期待できるということなのでしょう。
もちろん、買収金額も大きくなっています。
次に、経営内容がいいと見られる会社を、プレミアムを
支払って買収していることがあります。
なかにはプレミアムが50%という件も見られます。
買収先の経営陣に、買収後も経営のかじ取りを委ねる
というのも共通した特徴です。すなわち、
「俺たちが経営したほうが価値が上がるぞ!」
というのではなく、
「(ストックオプション等により)買収で儲かっただろうから、
これまで以上に働いて、価値を高めて下さいね」
というやり方のようです。