加入率と付帯率

 

地震保険に関する記事や資料を見ていると、
「加入率は23%」「付帯率は5割近く」というように
2種類のデータがあることに気がつきます。

「付帯率」とは、ある年度に契約された火災保険
(住宅物件)のうち、地震保険が付帯されている割合です。

2009年度のデータをみると、全国平均は46.5%と
新規に火災保険に加入した人の半分は
地震保険にも入っていることがわかります。

宮城県の付帯率は66.9%と高く、岩手県は42.2%、
福島県は39.0%です。

付帯率が6割を超えているのは宮城県のほか、
岐阜県、愛知県、徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県です。

他方、一般に「加入率」と言うときは、地震保険の契約件数を
住民基本台帳に基づく世帯数で割った数、つまり、
全世帯のうち地震保険に加入している世帯の割合のことです。

阪神大震災のあった1994年度の加入率(全国平均)は9.0%。
これが2009年度には23.0%まで高まりました。
宮城県は32.5%、岩手県は12.3%、福島県は14.1%です。

加入率の高い県は宮城のほか、愛知(34.5%)、東京(30.0%)、
神奈川(28.3%)となっています。

付帯率に比べて加入率が低いのは、
地震保険は火災保険とセットで加入することになっている
(火災保険の加入率は2002年時点で53%)ほか、
火災保険の加入段階では地震保険を付帯しても、
保険料負担などから更新しない人も多いからでしょうか。

もっとも、現行の地震保険制度には、

①民間の責任限度額が危険準備金残高を上回っている
 (2009年度末で2300億円)

②大震災発生で準備金が枯渇すると、次の大震災への備えがない
 (ただし、政府による資金あっせんや融通が可能)

といった制度上の問題点があります。

毎年の保険料等からの準備金が積み上がるまでは、
責任限度額に対して備えが十分でない状態が続いてしまうのです。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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