11月下旬から12月中旬にかけて学生の論文や報告資料の確認に追われる日々が続き、ようやく一段落しました
(福岡大学商学部の卒業論文は12月中旬が提出期限なのです)。
今年の卒論で興味深かったものを2つ紹介しましょう。
1つは保険会社によるBCP策定支援サービスに関するものです。火災保険の赤字が続くなかで、保険会社はリスク移転の手段として保険を提供するだけではなく、リスクそのものを軽減するサービスの提供に力を入れていると言っているので、実際に自然災害の影響を受けた九州のある地域の中小企業数社を調べてみたところ、BCP策定支援サービスはほとんど普及していなかったというものです。
火災保険の収支改善には料率引き上げだけではなく、リスク軽減策との組み合わせが有効なはずですが、何らかの理由によって、現場ではそれほど進んでいないのかもしれません(=最後は私の感想です)。
もう1つは大学経営に関するものです。私立大学の支出の大半は人件費と教育研究経費なので、収支改善のために支出を減らすと「教育の質」が落ちると考えたのですね。そこで現役の学生(3年生または4年生)が大学の教育に何を期待しているかを調べたところ、そもそも学習意欲の高い学生はあまり多くはなく、入学当初から、あるいは入学後しばらくしてから講義内容よりも単位取得の容易さを優先していることがわかったというものです。つまり、多くの学生は「教育の質」を求めていないということになります。
入学の時点で学ぶ意欲がなければ、それを現場の教員が変えるのは簡単ではありません。ただし、入学後しばらくして学習意欲が下がってしまう学生が多いのであれば、こちらは工夫のしようがありそうです(=最後は私の感想です)。
※写真は博多駅のイルミネーションです。