東洋経済オンラインに生保関連の記事を寄稿しました。
テーマは「マイナス金利政策と生保経営」です。
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報道では貯蓄性商品の値上げや販売停止ばかりが
取り上げられるので、つい執筆を引き受けてしまいました。
記事をご覧になればわかりますが、タイトルの
「マイナス金利でリスクテイクが困難に」とは、
次のような意味です。
マイナス金利政策に伴う金利水準の低下によって
生保が超長期の保障を提供する負担はより重くなりました
(提供できなくなったとは言っていませんので念のため)。
そのようななかで、生保が資産運用によるリスクテイクを
積極化させるとは私には思えないのですね。
報道によると、生命保険協会の筒井会長(日本生命社長)は、
「日本国債を中心とする運用はもはや困難」
「外債へのシフトがメーンにならざるを得ず、外債以外もさらに
ポートフォリオの分散にこれまで以上にチャレンジしていかな
ければならない」
と2月19日の記者会見でコメントしたそうですが、同時に、
「保険商品も資産運用も両面でもっと創意工夫をこらせということ」
とも述べており、日本生命が大胆なポートフォリオ・リバランスに
踏み切るという話ではないと受け止めました。
それに、どんどんリスクテイクできるような体力があるのだったら、
従来はどうしてそれを契約者等に還元せず、貯めこんでいたのか
(あるいは、ターゲットとする健全性の水準を見直したのか)、
という疑問につながってしまいます。
いずれにせよ、期末に向けた生保各社の動きに注目しましょう。
※築地市場です。カモメがエサ(?)に群がるような光景も
あと少しで見納めです。