CGコード原案

 

今週の週刊金融財政事情(2015.2.16号)は
「リスクテイクのための企業統治論」特集でした。

昨年末に東証と金融庁を共同事務局とする有識者会議が
「コーポレートガバナンス・コード原案」を公表しました。
金融庁のサイトへ

特集では、次の4名のかたが寄稿しています。

・金融庁・総務企画局長の池田唯一さん
・日本経済団体連合会・常務理事の阿部泰久さん
・三菱UFJフィナンシャルグループ副社長の田中正明さん
・ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパン代表取締役の
 小口俊朗さん

このなかで、ガバナンス・コードの必要性について、
金融庁の池田さんと経団連の阿部さんの主張が対照的なので、
ちょっと長い引用ですみませんがご紹介します。

池田さん
「諸外国では、企業家精神が旺盛すぎた経営者も多く、昨今、
 行き過ぎがないようにコーポレートガバナンスでそれをコン
 トロールするという傾向の議論が通例のように思われる。
 これに対し、わが国のコードは、諸外国とはベクトルの向きが
 逆かもしれないが、企業が適切なリスクテイクによって資本
 効率を高め、持続的に企業価値を向上させる、その際の説明
 責任の履行に資するような、『攻めのガバナンス』機能の発揮
 を目指すことで、上場会社の経営者の企業家精神の発揮を
 後押しするという考え方に立っているということがまずもって
 認識されるべきである」

阿部さん
「日本企業の『稼ぐ力』を高めるために、なぜコーポレートガバナ
 ンス・コードが必要であるのかは定かではない。もともと、コー
 ポレートガバナンス体制の構築は、不祥事の未然防止や、短期
 的利益の獲得を狙った経営陣の暴走を抑制するために必要と
 されてきたものである。いわばマイナスの未然防止策であり、
 いかに優れたコーポレートガバナンスの仕組みを整えたとしても、
 ただちに企業の収益性向上につながることはないはずであること
 をまず指摘しておきたい」

いかがでしょうか。
ガバナンス体制の整備と企業価値の関係についての議論は、
本来、アカデミズムにおける議論なども踏まえるべきなのでしょう。

ただ、企業価値を評価するのは第一義的には投資家ですので、
ガバナンス改革を求める投資家が多いという認識のもとでは、
政府主導で指針を作ろうというのは私には理解できます。

もちろん、形ではなく中身が重要なのは言うまでもありません。

※写真はある韓流スターの実家なのだそうです。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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