地銀の新規制

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このところ金融庁関連のニュースが目立ちます。
例えば、こんな記事がありました。

銀行で“素人同然”の証券運用が大量発覚、
 金融庁調査で」(6/5のダイヤモンド・オンライン)

金融庁、地銀の金利リスクで新規制 19年3月期に導入へ
 =関係筋」(6/8のロイターほか)

「金融庁『強権』を封印 銀行検査、抜本見直し」
「中小企業の5割、政府系金融機関と取引
 金融庁調査」 (いずれも6/8の日経)

金融庁関連のニュースが目立つのは、実のところ
季節要因が大きいと思います。

金融庁の事務年度は7月から6月末までなので、
今月が年度末にあたります。
しかも、通常国会が終わると人事異動があり、
職員の約半分(!)が異動してしまいます。

ですので、今いろいろとニュースが出てくるのは、
(幹部の)異動前に仕事の区切りをつけていて、
その一部が何らかのルートでメディアに伝わって
いるのでしょう。

ところで、上記でロイターの記事を紹介しましたが、
日経は1面トップで「地銀の債券保有 新規制」を
報じました(有料版。5面にも解説記事あり)。

この記事を読むと、金融庁が地銀の債券保有を
制限する規制を導入し、融資への資金シフトを
促すとあります。
ただ、この規制はバーゼル規制に基づいた話だと
思われるのですが、そうだとすると、規制の本来の
目的は全く違います。

金融危機後のバーゼル規制見直しの一環として、
銀行勘定の金利リスクを従来より厳しく見ることで
2016年に国際合意がなされていまして、本件は
これを国内規制化する話です。

バーゼル規制については、かつて保険課長だった
白川さんのこのレジュメ(PDF)が参考になります。

こちらをご覧いただくと、金利リスクは資産として
保有する債券だけが対象ではなく、「銀行勘定の
資産や負債」なので、債券も貸出も金利リスクを
抱える資産としては同じ位置づけです。

「銀行勘定の金利リスクとは、金利水準の変動により、
 銀行勘定の資産や負債の経済価値あるいは収益が
 変動することにより生じるリスク」(6ページ)

ということで、保険業界の皆さんにはおなじみ(?)の
「経済価値」に基づいた規制ですね。

もちろん、地銀の有価証券保有に伴う金利リスクを
注視する必要はあると思いますし、他方で金融庁は
地域における金融機関の役割を厳しく問う姿勢を
見せているのは確かなのですが・・・

具体的な規制案が公表されていない現時点では
コメントしにくいものの、金利リスク規制の捉え方が
私の理解とはあまりに異なりますし、もしかしたら

「超長期債を多く保有する生保はリスクが大きい」
「保険会社にも債券保有を制限する規制が必要だ」

なんて声がすぐに出てこないとも限りませんので、
あえて取り上げることにしました。

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