顧客本位の業務運営原則

 

19日の読売新聞「保険料手数料開示 説明不足?
金融庁が批判」という記事のなかで、私のコメントが
掲載された模様です。

「手数料開示は、銀行が保険以外の金融商品も含めて
 平等な提案をするいいきっかけになるのでは」

このようなコメントでした。

ところで、22日公表の金融審議会WG報告書では、
金融商品の販売手数料や商品説明、利益相反の
管理等に関する議論を行った結果、ルールベース
での対応を重ねるのではなく、プリンシプルベース
のアプローチを用いることが有効と述べています。

そのうえで、当局が策定する原則(プリンシプル)に
盛り込むべき事項を示しました。

そのなかには、

Ⅳ.金融事業者は、名目を問わず、顧客が負担する
 手数料その他の費用の詳細を、当該手数料等が
 どのようなサービスの対価に関するものかを含め、
 顧客が理解できるよう情報提供すべきである。

Ⅴ.金融事業者は、顧客との情報の非対称性が
 あることを踏まえ、上記Ⅳに示された事項のほか、
 金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な
 情報を顧客が理解できるよう分かりやすく提供
 すべきである。

とあり、Ⅳは顧客が負担する手数料等の情報提供を、
Ⅴでは「重要な情報」として、第三者から受け取る
手数料など、顧客との利益相反の可能性がある
情報を提供すべきとしています。

さらに注記を見ると、

「複数の金融商品・サービスをパッケージとして販売・
 推奨等する場合には、個別に購入することが可能で
 あるか否かを顧客に示すとともに、パッケージ化する
 場合としない場合を顧客が比較することが可能となる
 よう、それぞれの重要な情報について提供すべき」

「顧客に対して情報を提供する際には(中略)顧客に
 おいて同種の金融商品・サービスの内容と比較する
 ことが容易となるよう配慮すべき」

という記載もありました。金融庁のサイトへ

ルールではなく原則ですし、報告書の「金融商品」
「インベストメント・チェーン」に保険商品・チャネルが
どれだけ該当するかには議論の余地があるでしょう。
ただ、顧客本位の業務運営が求められるという点は
保険も例外ではありません。

先の保険業法改正ではルールベースの対応が
求められましたが、プリンシプルベースの対応とは、
「決まりだからやる」「他社もやっているからウチも」
というのではなく、何が顧客のためになるのかを
事業者自らが考え、実行することです。

「これまでだって顧客のためにやってきた」という
声も聞こえてきそうですが、この一連の動きは、
保険流通を取り巻く環境変化としても
押さえておいたほうがよさそうですね。

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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