昨年末(12/22)公表の金融審議会報告書
「金融グループを巡る制度のあり方について」
を遅ればせながら読んでみました。
何となくFinTech絡みの話だと思っていましたが
(新聞報道ではそのような取り上げ方だったので)、
金融グループの経営管理のあり方を議論したうえで、
各論としてFinTech関連の規制緩和を求めていました。
金融庁のサイトへ
報告書では、金融グループの持株会社が果たすべき
経営管理機能の内容について明確な規定がないため、
法令上明確にしておくことが適当としています。
そして、グループの経営管理として、あるべき姿は
営業基盤・規模・リスク特性・経営戦略等に応じて
区々であるとしたうえで、例えば、
・グループの経営方針の策定
・グループの収益・リスクテイク方針、並びに資本政策等の策定
・グループの経営管理体制の構築・運用
・グループのコンプライアンス体制の構築・運用と利益相反管理
・グループの再建計画の策定・運用(特にG-SIFIs)
などを行うのが適当としています。
「リスクテイク方針」が挙げられているということは、
グループとしてのリスクアペタイトを明確に設定し、
それに沿って収益・リスクテイク方針や資本政策等を
策定することが想定されているのでしょう
(そうでないとリスクテイク方針を立てられないので)。
報告書はメガバンクグループや地域銀行グループなど
銀行を中心とした金融グループを念頭に置いていますが、
保険グループについても基本的な考え方は同じでしょうから、
この報告書の影響は大きいのかもしれません。
※吹屋の町並みです。赤い町並みが印象的でした。