金融システムレポートほか

 

自分の備忘録も兼ねて、気になった話題を
いくつかご紹介します。

1.日銀「金融システムレポート」(24日公表)

日銀が半年ごとに公表しているレポートです。
1月末からのマイナス金融政策の影響を
銀行が強く受けていることを示しています。
日本銀行のサイトへ

レポートでは、銀行が低金利によって収益の
減少に歯止めがかからないリスクとともに、
リターンを求めて過度なリスクテイクに向かう
リスクについても分析しています。

マイナス金利政策は欧州でも見られます。
しかし、レポートによると、欧州系銀行は、

 ・預金金利に下げ余地があった
 ・口座維持手数料等の採用
 ・預金調達の割合が邦銀より小さい
 ・収益性の高い住宅ローンへのシフト

などにより、利ざやを維持できているとのこと。
歴史的低金利が長く続く日本とは経営環境が
異なるようです。

2.2015年国勢調査の確定値公表(26日)

国勢調査としては初めて人口が減り、
65歳以上の人口割合は26.7%となりました
(5年前は23.0%)。
この割合は世界で最も高い水準だそうです
(イタリアは22.4%、ドイツは21.2%)。
総務省統計局のサイトへ

合わせて下記の人口ピラミッドをみると、
今後の動きがわかります。

あと25年くらいたつと、団塊ジュニア世代が
65歳以上となり、人口割合はすごいことに
なっていそうです。

逆に言えば、シニアマーケットはしばらくの間
かなりのボリュームゾーンなので、この層を
どうやって取り込むかが、どの業界にとっても
重要なのでしょうね。
国立社会保障・人口問題研究所のサイトへ

3.保険の手数料開示

10月から大手銀行などが特定保険商品の
販売手数料を開示するようになり、関連する
記事がいくつか出ています。

R&I「ファンド情報」(2016.10.24)では、
開示のタイミングで手数料の受け取り方を
「 I から L 」に変える動きがあると報じています。

従来は販売時の一括受け取りだったものを、
販売時の手数料を抑える半面、5~10年ほどの
継続手数料を受け取るように変更することで、
「見せかけの手数料引き下げ」が横行している
というものです。

銀行は継続手数料も開示していますし、
継続手数料を設定することで、銀行が販売時の
手数料獲得だけに邁進せず、アフターフォローを
より重視するようになるかもしれません。

ですから、これを「見せかけの引き下げ」として
批判するのは、やや違和感があります。

もっとも、29日の日経に、メガバンクの事例として
外貨建て一時払い変額終身保険の手数料率が
掲載されていたのですが、これが合計9.25%
(初年度手数料4.00%、継続手数料0.75%)、
という数字でした(75歳までの場合)。

継続手数料は7年目までということなので、
解約や死亡による契約消滅を踏まえたうえで
設定しているのだとは思いますが...

この先、まだまだ動きがあるかもしれませんね。

※銀座の日産ギャラリーが新しくなっていました
 (NISSAN CROSSING)

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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