6日の金融審議会(市場ワーキング・グループ)では、
金融機関による顧客本位の業務運営実現に向けた
取り組みの一環として、銀行による保険の販売手数料
開示問題がテーマにあがった模様です。
しばらくしたら議事録がアップされると思いますが、
今のところ当日の資料のみ公表されています。
金融庁・金融審議会のサイトへ
知人の保険ジャーナリストによると、金融審WGの議論が
あくまで金融機関による貯蓄性保険の手数料だけなのか、
あるいは、営業職員や一般代理店が販売する貯蓄性保険
まで広がるのかに注目とのことでした。
確かに、保険会社から見ると、前者であれば金融機関
という一つのチャネルだけの話ですが、後者となれば、
保険商品のあり方全般に影響が及ぶかもしれません。
ご参考までに、2013年6月の金融審・保険WG報告書では、
「2-3-2 乗合代理店に係る規制について」のなかに
次の記載があります。
「手数料の開示については、上記のような見直しを通じて、
乗合代理店による保険商品の比較販売について、一定の
適切な体制が整備・確保されると考えられることから、現時
点において、一律にこれを求める必要はないと考えられる」
「仮に、手数料の多寡を原因として不適切な比較販売が行
われる事例が判明した場合には、手数料開示の義務づけ
の要否について、改めて検討を行うことが適当である」
(脚注62)
銀行にとって販売手数料の重要性は年々高まっています。
6日の金融審WGの資料には、販売手数料に占める割合と、
平均手数料率の推移が載っていました(スライド6)。
7日の日経の図表はここから引用したものです。
販売手数料が銀行決算にどれほど貢献しているのかは、
直近決算データとなると、個別に見ていくしかありませんが、
2014年度までならこの日銀レポート(銀行・信用金庫決算)が
時系列で確認できて便利です。
国内業務の資金利益が減少傾向となっているのに対し、
大手行、地域銀行ともに役務取引等利益は増えています。
大手行の場合は、近年伸びている国際業務部門が
資金利益や役務取引等利益に寄与しています。
しかし、大手行の国内業務部門、あるいは地域銀行で
役務取引等利益の伸びを支えているのは、保険と投信の
販売手数料であることがわかります
(詳しくはレポートの15ページを参照)。
※週末にプライベートの東京湾クルージングを
体験することができました。