ニッセイ基礎研究所の松岡博司さんが、
「米国生保の経営は日本化するか」
というレポートを発表しています。よくまとまっていて参考になります。
ニッセイ基礎研HPへ
「(規制強化で)株を買えない生保」と、事あるごとに
日本の生保は株を買うべしと言わんばかりのキャンペーンをする
どこかの経済紙がありますね。
このレポートによると、米国生保の株式保有はわずか2.3%です
(一般勘定)。しかも、以前から株式保有は多くありません。
「生保は公社債投信になりさがっている」といった声も
時々銀行系のかたから耳にします。米国生保も同じです。
一般勘定資産の7割が内外公社債なのだそうです。
どうも日本では生保を長信銀などと同じ目線で見る向きが
いまだに多いようです。
生保が株式市場などに長期資金を供給するのは
あくまで副次的な役割であって、保障の提供こそが
生保が社会に存在する意義だと思います。
そして、予定利率が固定された長期の保障を提供するのは
日本でも米国でもそう簡単ではないということなのでしょう。
ところで、レポートに次のような記述がありました。
「保有公社債の平均残存期間は 9 年~10 年程度と長い。
残存期間 20 年超という、たいへん期間の長い公社債が
約 20%を占める」
気になったのは、米国生保の負債構造がどうなっているかです。
実は日本の大手生保の公社債残存期間も同程度なのです。
しかし、負債が長いので、金利リスクを相殺しきれていません。
米国生保は金利リスクをとらず、信用リスクでリターンをえる戦略
(金利リスクを本当にとっていないかどうかは別として)
と言われますが、日本の生保より一般勘定の負債が短いのでしょうか。
保有契約ベースであれば、依然、終身保険も大きいように思います。
期間の短い団体年金などで打ち消されているということなのか、
終身保険とはいえ、解約してしまうのが一般的なのか...
ご存じのかたがいらっしゃれば、ご教示いただきたいです。
※写真は錦糸町駅です。