保険コンサルタントの後田享さんによる日経電子版の連載
「保険会社が言わないホントの保険の話」をご存じでしょうか。
2011年7月から続いていて、独自の見方が勉強になります
(「プロ」からの反発は強いような気がしますが...)
5/4は「ネット保険の保険金支払いの実績は」でした。
「当選本数が伏せられたまま販売されている宝くじ」
という表現など、なかなか刺激的ですね。
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分析対象がどうしてネット生保なのかはさておき、
生保各社がディスクロ誌で公表している「死亡率」や「特約発生率」、
さらに「第三分野発生率(発生保険金額÷経過保険料)」のデータを
どうやって使ったらいいかという課題はありそうです。
死亡率は年齢が高くなるにつれて高まるので、
ネット生保のような顧客の平均年齢が若い会社と、
成熟した会社を単純に比べても意味がないでしょう。
さらに、新しい契約が多い会社ほど選択効果が働き、
死亡率が低くなると思います。
職域など顧客基盤によっても差があるかもしれません。
それでも死亡率については、責任準備金の標準死亡率の制約があり、
保有契約がそれなりにあれば、「当選」の多さ・少なさが
それほど問題にはならないように思います
(低解約返戻金商品やリスク細分商品は考慮していません)。
しかし、第三分野には責任準備金の標準率がないこともあり、
公表されている発生率をどう使ったらいいか、頭を抱えてしまいます。
特に他社比較は難しいというのが率直なところです。
「医療(疾病)保険」と言っても、入院と手術では発生率が違うでしょうし、
有期か終身か、解約返戻金の有無なども数値に影響を与えます。
もちろん、保有契約の平均年齢が違えば、発生率も違うでしょう。
「より具体的な数字をもとに、保険活用の妥当性を説いてほしい」
という筆者の主張を実現するには、どうしたらいいのでしょうね。