自見庄三郎金融相は21日の記者会見で、
国際会計基準(IFRS)の強制適用時期について、
「少なくとも 2015 年 3 月期についての強制適用は
考えていない」
「仮に強制適用する場合であっても、その決定から
5-7 年程度の十分な準備期間の設定を行う」
と発表しました。 金融庁HPへ
2010年以降の国内外の様々な変化、とりわけ、
東日本大震災の発生と、産業界からの要望などが
大きかったと報じられています。
ただ、国内事情もさることながら、個人的には他国の状況、
特に米国の姿勢が全面採用から後退していることが
大きいように感じます。
会計でも保険規制でも、「国際化」を進めようとする欧州と、
自国ルール重視の米国、という構図が鮮明です。
金融危機の発生から3年がたち、ここにきて米国は
一段とその姿勢を強めているように見えます。
日本は欧州と米国の間にいて、見方によっては
いいポジションと言えるのかもしれません。
IFRS財団初のサテライトオフィスが北京でなく
東京に置かれることになったのも、このような状況が
影響しているのでしょう。
しかし、中国やインドの台頭もあり、単なる先送りは
かえって日本の立場を弱くするだけになってしまいます。
会計基準統一の方向性自体が変わらないのだとしたら、
やるべきことは「いかに発言力を高めるか」ではないでしょうか。
※写真はスイス・チューリヒです。