生保の破綻が相次いだ時代から20年近くたち、逆ざや問題なんて過去の話と思われるかもしれません。でも、このようなデータをご存じでしょうか。
先日公表された大手生保のディスクロージャー誌によると、予定利率の高かった1986年度から1995年度にかけて獲得した個人保険・個人年金保険の責任準備金は、10年前とほぼ変わらない水準で残っていることがわかりました(大手4社の合算値)。
さすがに1985年度以前の契約では、加入時から30年以上たっているので、責任準備金は10年前の50%まで減っています。例えば1980年に35歳だった人は、2018年には73歳です。80年代前半までの契約は死亡などにより消滅するケースが増えているのでしょう。
ところが、1986年度から1995年度となると、例えば1990年に35歳だった人は、2018年には63歳なので、死亡などにより契約が消滅するペースは緩やかです。しかも予定利率が高いので、責任準備金が一向に減らないという状況と考えられます。
特に1991年度から1995年度の契約は、足元でも責任準備金が増え続けていますし、ボリュームとしても全体の2割弱を占めているのです。
平均予定利率を見てしまうと、予定利率の低い団体年金で押し下げられているうえ、2000年代に各社が銀行などを通じて貯蓄性の強い商品を多く販売したことで、かなり下がっています。
しかし、現実には過去の負の遺産(契約者からすればお宝契約)の負担が未だに大きいということが、今回のディスクロ誌から確認できました。
※「せんば山にはタヌキがおってさ♪」の「せんば」に行きました。