本当は昨日書こうと思っていたのですが、「3社統合報道」で飛んでしまいました^^
少し長めですが、お付き合い下さい。
金融庁の「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」の提言を受け、
・最低限の情報提供として「契約概要」「注意喚起情報」
・顧客ニーズに合致しているかどうかを確認する「意向確認書面」
の二つは曲がりなりにも実現しました。
ところが、最後の「適切な比較情報の提供を促す環境整備」については
結果的に放置されたままです。
検討チームの提言はこちら↓
「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」提言
そして「比較情報の提供を促す環境整備を図るための協議会」の代わりに(?)
業界団体が主催する「みんなが主役、保険商品の比較に関する自由討論会」が
2007年7月から2008年5月にかけて4回にわたり開かれたものの、
単に意見や要望を並べただけの報告書が作成され、おしまい。
あとは報告書を参考にそれぞれの立場から検討しろとのことです。
報告書はこちら↓
「みんなが主役、保険商品の比較に関する自由討論会」報告書
これで「適切な比較情報の提供」が進むなら、何もしなくても進みます。
実際、報告書を受けてまともに対応しているように見えるのは
どうも損保協会だけのようです(協会長が就任時に言及しています)。
さて、以前ご紹介した出口さんの著書「生命保険はだれのものか」に、
「約款と(年齢別の)保険料表の開示を生保会社に義務づけるべき」
とありました。
私もまずはこれだと思います。第三者が比較情報を提供しようにも、
きちんとした元データが少なすぎるのです。
他方で、すぐに保険業法第300条の「誤解させるおそれ」が持ち出され、
「比較情報を提供する第三者を規制すべきだ」となってしまいます。
規制って、それほど万能なのでしょうか?
もちろん、各社の自主的な情報開示は大いに進めていただくとして、
行政は自らが商品の審査をするだけではなく、「約款と保険料表を開示させ、
第三者が保険の比較情報を提供できる仕組みを整備する」という出口案に
私も賛成です。
具体的な保険料表の開示内容は、それこそ「協議会」で議論したらいいでしょう。
この件もやはり、「自己規律」「規制・監督」に加え、「市場規律」の3点セットで
進めていく話だと思います。