最近発表された「コロナ禍を経て世界では金融アドバイザーが果たす役割が増大-日本とは大きく異なる各国の状況-」というニッセイ基礎研究所レポートに、生命保険募集人に対する信頼度についての国際比較(アンケート調査)がありました。これを見ると、日本と韓国以外では、生命保険募集人を信頼できるという回答が概ね高い水準にあるのに対し、日本と韓国は4割前後という低い水準でした。
他方でレポートの注記にもあるように、近年の生保加入者を対象としたチャネル満足度の調査では、営業職員をはじめ、どのチャネルでも約8割が満足という回答です(2021年の「生命保険に関する全国実態調査」より)。日本生命の「お客様満足度調査」でも、「満足」「やや満足」の合計は高水準で推移しています(選択肢に「ふつう」があるかどうかで結果が変わるかもしれませんが…)。
両者を合わせると、日本では生命保険募集人への信頼度が低いものの、実際に営業職員から加入した契約者の満足度は高いということになります。そもそも営業職員への信頼度が高い顧客が加入しているのだから、後者の満足度が高いのは当たり前なのかもしれませんし、社会的な信頼度が低いというハンディを乗り越えて契約を獲得しているのであれば、生保の営業職員は極めて高い契約獲得能力を持っていると見るべきなのかもしれません。
とはいえ、(このアンケート調査によると)なぜ日本では募集人への信頼度が低いのかは大いに気になりますし、そうだとしたら、保険会社は「募集人の信頼度」についてもっと考える必要がありそうです。
※皆さんお疲れさまでした。