三菱総研のHPで住宅ローンの収益・リスク管理に関する
(私にとって)興味深いコラムを見つけました。
コラムのHPへ
住宅ローンの収益性評価は難しく、勝ち負けがはっきりしない、
採算がわかりにくい商品なのだそうです。
コラムでは、検討すべきポイントとして、
・期間の長さ
・PDの期間構造(=デフォルト率が経過とともに変化する)
・LGDにおける地価要因(=回収率は地価動向に依存する)
・プリペイメント(=期限前返済により貸出期間が短くなる)
・金利の固定変動相互乗換
・優遇金利
を挙げています。
資産/負債の違いはありますが、生命保険の負債分析に
通じるところがありますね。
プリペイメントに関しては、期間短縮による金利リスクへの影響のほか、
信用リスクが低い顧客ほどポートフォリオから早く離脱する
(=ポートフォリオの信用リスクが濃縮される)という指摘もありました。
また、金利上昇時の変動金利型ローンは信用リスクが高まるうえ、
プリペイメントも増えるのだそうです。
確かに収益・リスクの評価が簡単ではないことがわかります。
企業向け貸し出しが伸び悩むなかで、
多くの金融機関が住宅ローンに力を入れており、
激しい競争を展開しています。
しかし、チキンレースのようにも見える競争のなかで、
住宅ローンの複雑さを踏まえた収益・リスク管理を行い、
プライシングに反映している金融機関はどの程度あるのでしょうか。
単なる会計ベースの管理ではちょっと心配です。
このあたりも保険会社と共通したテーマですね。
※写真は前回に続き、東海道・有松の町並みです。