3月23日のブログで自然災害リスク分析会社の評価モデルが
ある種の「共通言語」のような存在になっていると書きました。
このうちの1社であるRMSが最近、米国ハリケーンのモデルを
大幅に見直したことが、再保険市場に影響を与えている模様です。
6月2日のWSJによると、RMSのモデル見直しの結果、
100年に1度の確率で発生するハリケーンによる
テキサスでの予想損失が、従来の2倍になったそうです。
他の地域でも予想損失見込額の大幅増加がみられるとか。
モデルによる当初の予測が実際の結果と大きく異なることも
しばしばあるようですし、「共通言語」のようになっている
3社のモデルでも、まだまだ発展途上と言うべきなのでしょう。
ただ、マーケットで「共通言語」として使われていると、
今回のようにモデルの大幅見直しが行われた場合には、
かなり混乱が生じることは想像に難くありません。
さりとて他に頼るものもなく、モデルの限界を踏まえたうえで
再保険取引やリスク管理を行っていくしかないのでしょうね。
※写真左はミュンヘン、右はチューリヒのトラムです。