少し時間が経ってしまいましたが、今回はこのテーマで。
以前にも書いたとおり、日本の四半期決算は累積表示なので、
四半期ごとに分解すると、見えてくるものがあったりします。
まずは、保険料など業績面をチェックすることをお勧めします。
ここでは別のデータを見ることにしましょう。
長期金利の水準がじわじわと下がるなかでも、
大手生保は国内債券の残高を増やしているのですが、
細かく見ると、大手生保の動きは一律ではありません。
各社とも「責任準備金対応債券」を増やしているなかで、
・日本生命は主に4-6月と10-12月に増加
・第一生命は7-9月を中心に継続的に増加
・住友生命は4-6月と7-9月(特に後者)で増加
といった感じです。
これだけではその背景まではわかりませんが、
各社のALMについての考え方を知るうえで
なかなか興味深いデータです。
明治安田生命は「責任準備金対応債券」がなく、
「満期保有目的の債券」の残高を徐々に減らす一方、
「その他有価証券」の公社債をどんどん増やしています。
好調な保険料収入は銀行窓販によるもののようですから
それと関係があるのかもしれません。
もうひとつ、今年度に入ってからは、株安や円高など、
金融市場は総じて不安定でした。
また、保険料が急増した、第三分野が低調だった、など
収入面でもそこそこの変動がありました。
それにもかかわらず、各社の四半期純利益(純剰余)は
かなり安定した推移となっているのですね
(比較のために第一生命は契約者配当準備金繰入を考慮)。
毎度のことですが、生保の当期純利益は何を示しているのか。
少なくともその期間の損益動向をうまく表現したものでは
なさそうです。
※写真は地元の大倉山公園です。
今年は梅の開花が遅れているようですね。