自賠責保険の料率引き上げ

メディアでも報じられた通り、4月30日開催の自動車損害賠償責任保険審議会での了承を受けて、11月1日から自賠責保険の基準料率が平均6.2%上昇することとなりました。内訳は純保険料率が1.9%の引き上げ、付加保険料率(社費と代理店手数料)が4.3%の引き上げです。
詳しくはこちら(損害保険料率算出機構のサイト)をご覧ください。

業界のかたには釈迦に説法かもしれませんが、同じ自動車保険でも、自賠責保険と任意保険では支払保険金の内訳が大きく異なります。
自賠責保険は対人賠償責任しかカバーしていないので、当然ながら支払保険金は自動車事故による死亡や後遺障害、傷害への賠償責任に限られます。これに対し、任意保険では支払保険金の約8割を車両保険と対物賠償責任が占めています。両者の保険金の大半は修理費なので、近年の物価上昇の影響を強く受けていることがわかります。

では、物価上昇の影響を受けにくいはずの自賠責保険の料率がなぜ上げるのかというと、付加保険料部分(主に物件費)が物価上昇の影響を受けているのと、料率引き下げに活用してきた滞留資金の残高調整が必要になったためだそうです。自賠責保険はノーロス・ノープロフィットの原則で運営されていて、社費部分も当てはまります。

ちなみに、2020年の民法(債権法)で法定利率が年5%から3%に下がり、支払保険金が増加するとみられていました(逸失利益の計算で割引率が小さくなるため)。ただし、料率算出機構「自動車保険の概況」を見るかぎりでは、2021年に死亡保険金の単価がやや上昇したものの、その後は高齢者割合の増加などに吸収され、大きな影響を及ぼしてはいない模様です。

※船旅と在来線特急の旅を楽しみました

※いつものように個人的なコメントということでお願いします。

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